芸能

秋山竜次は裸の王様を“熱演” Eテレ童話番組が贅沢すぎる

『おはなしのくに』で”裸の王様”を演じるロバート秋山(公式HPより)

 日本の昔話や世界の童話を紹介する子供向け番組『おはなしのくに』(NHK・Eテレ)。子供たちに読み聞かせや読書の楽しさを伝えるために、テレビでおなじみの俳優や芸人らがその物語を1人で演じている。この番組の魅力について、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 どんなドラマより贅沢な「おはなしのくに」

 Eテレの『おはなしのくに』は、どんなドラマよりも贅沢な番組といえるかもしれない。

 以前、このコラムで皆川猿時の「さるかにがっせん」を紹介したが、最近、ますます面白さに拍車がかかっているのである。

 たとえば、2月に放送された「はだかの王さま」。有名なアンデルセン童話に登場したのは、ロバートの秋山竜次であった。はだかの王さま=秋山。こう聞いただけで、「ぴったり!」と膝を打っている方も多いと思う。それはもう、想像以上にぴったりであった。

 秋山は着道楽の王さまから、「愚か者には見えない特別な織物で作った服を作る」と王さまを騙す悪人二人組、大臣、役人、パレードの最中「王さまは裸だ」と指摘する無邪気なこども、見物する群衆、さらには物語の語り手まで、ひとりで演じ分けたのである。最後は黒にしましま模様のブルマようなパンツに王冠だけの王さまになってのしのしと歩き回る秋山を見て、私は言わずにはいられなかった。「適材適所…」

 そういえば、秋山のクリエイターズファイルの中のひとり、トータル・ファッション・アドバイザー、デザイナーのヨウコ・フチガミの目指すところは「裸が一番のおしゃれ」ではなかったか。それを思うと、ますます「おはなしのくに」のキャスティングの鋭さに感心するばかりである。私の中では、秋山の「王さま」と渡辺直美が腹にでっかく「金」と金文字を書いた腹掛け、大きなマサカリをかついででてきた「きんたろう」が「おはなしのくにベストキャスト」のトップ争いをしている状況だ。

 もうひとつ、「おはなしのくに」で注目したいのは、別枠で「コワイオハナシノクニ」があること。過去の作品はHPで観られるようになっているが、そのページの中に薄気味悪い黒い四角があり、マスコット人形と「忘れられないコワイ世界をお届けします…」「ぼっちゃん、じょうちゃん、ちょっとだけ寄っていかないかい…」と誘いの文字が。そこでは本郷奏多の「耳なし芳一」、山本美月の「皿やしき」、矢本悠馬の「おいてけぼり」といった怪談話が観られるのである。

関連記事

トピックス

遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《スクープ》“連立のキーマン”維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官が「秘書給与ピンハネ」で税金800万円還流疑惑、元秘書が証言
NEWSポストセブン
2018年、女優・木南晴夏と結婚した玉木宏
《ムキムキの腕で支える子育て》第2子誕生の玉木宏、妻・木南晴夏との休日で見せていた「全力パパ」の顔 ママチャリは自らチョイス
NEWSポストセブン
大分県選出衆院議員・岩屋毅前外相(68)
《土葬墓地建設問題》「外国人の排斥運動ではない」前外相・岩屋毅氏が明かす”政府への要望書”が出された背景、地元では「共生していかねば」vs.「土葬はとにかく嫌」で論争
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
《悠仁さまの周辺に緊張感》筑波大学の研究施設で「砲弾らしきもの」を発見 不審物が見つかった場所は所属サークルの活動エリアの目と鼻の先、問われる大学の警備体制 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン