「いつもぶらぶらとスタジオへ入るので、改めてここで撮影は恥ずかしい~(笑い)」(撮影/カノウリョウマ)

 劇中には“そこでそうくる!?”と意表を突くキスやハグが飛び出し、女心をくすぐられた女性も多い。

「内心照れくささもありますが、最後まで誠実に役柄と向き合っていきたいです。吉高さんは見た目はもちろん、中身がとってもきれいなかた。等身大の振る舞いや、まじめでさわやかな人柄がケイトのまっすぐさにも通じる気がします」

 かたや公開中の映画『Red』でも、現場で感じた夏帆の魅力が柄本の役柄に息を吹き込んだと振り返る。

「僕が演じた小鷹は、非常に世渡り上手で何事もそつなくこなし、常に70点をたたき出してくるような男。そんな小鷹が塔子(夏帆)と出会うことで、いつのまにか“70点”のボーダーを超えるように想いが膨らんでいくんです。それはきっと、芯がありながらどこか守ってあげたくなる、そんな隙もある夏帆さん自身の魅力がそうさせたんじゃないかな、と。現場でも小鷹は最終的に塔子を本気で好きになっちゃっていますよね、と監督に確認して、そうだと思いますって」

 直木賞作家・島本理生の長編小説を実写化した恋愛映画『Red』。好条件な夫(間宮祥太朗)とかわいい娘に恵まれ、傍目には“何も問題のない”生活をしていた塔子だが、かつて愛した鞍田(妻夫木聡)と再会することで眠っていた女性の本性に火が点り、やがて誰も想像しなかった結末へと突き進んでいく――夫、元恋人、自分に好意を寄せる同僚・小鷹(柄本)の3人の男に見せる表情の違いに、ひと色ではない女の性や塔子の心の襞が透けて見える。

「本編にはないのですが『小鷹さん、今日お昼ごはん一緒に食べません?』と、塔子に誘われるシーンが実はあったんです。僕としては“さっきまでそこに居た鞍田さんがいなくなったら急に小鷹を誘うのはどうなの”と驚いて。そういう恋愛経験を僕はしてきていないから、女心が全然想像つかなかった。幻のシーンにはなりましたが、監督の三島さんも脚本の池田さんも女性なので、女性には切り替えできる一面があるのかと発見でしたね」

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