そう思う人も少なくないだろう。CTを受けた妻が、膵臓がんだと診断された、神奈川県在住のAさんが言う。

「主治医は画像を見ながら『すぐに切るしかないが、それでも取り切れるかわからない』と。それを聞いた妻が『他のお医者さんの意見も聞いてみたい』と私に打ち明けたんです。患者会に相談すると、専門医でないと詳しくわからない部分があるという話でした。

 ただ、妻は『これまでお世話になってきた先生だし……』と尻込みしていたので、私が主治医に『専門医のところで、妻のがんについてもっと詳しく勉強したい』と伝えました」

 主治医は嫌な顔もせず紹介状を書き、検査画像を渡してくれたという。

「Aさんのように、本人が言い出しにくい場合、『家族に言ってもらう』のはとても有効です。専門医の意見を聞きたいというのも良い伝え方です」(西医師)

◆紹介状はどのような形でもらえるのか?

「診断結果や症状の経過、治療履歴などが書かれた紹介状は通常、封書で渡されます。CTなどの画像データはCDにコピーされることがほとんどです。当日発行で患者に手渡しされることもありますが、数日後に医療機関からセカンドオピニオン先に直接郵送されるケースも多い。

 紹介状の発行にかかる費用は保険適用で500~1500円程度。また、セカンドオピニオンを受ける費用は全額自己負担で1時間あたり1万~3万円前後が多いかと思います」(西医師)

◆「どの医者」に意見を聞けばいいのか?

「どの病院でセカンドオピニオンを受けてもいい」(西医師)というのが原則だが、実際には非常に迷うところだ。

「例えば、胃カメラを飲んで胃がんが見つかり、主治医が手術を提案してきたとする。その際に『放射線治療』を検討したいのなら放射線科を、抗がん剤治療なら『腫瘍内科』を受けるといったように“自分の希望する治療法の専門の科”を受けるのが良いでしょう。なかにはセカンドオピニオン外来を設けている病院もあるので、それも選択肢のひとつです」(西医師)

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