ベーシックタイプでも上位モデルと同様にシートの高さが調整できる

ベーシックタイプでも上位モデルと同様にシートの高さが調整できる

 さて、そんなフィットだが、グレード5種×駆動方式2種×パワーソース2種と、ざっと20種類もある中からどれを選ぶべきか──。もちろん選択はライフスタイルや価値観によって人それぞれだが、ファーストドライブの結果、筆者が断然イチオシしたくなったのは、実は最も価格の安い純ガソリン版のベーシックだった。

 最大の理由が驚異的なバリューフォーマネーであることは言うまでもない。基本価格は155万7600円。ハイテク化と素材高騰でクルマの価格がうなぎのぼりになっているこのご時世に、たったこれだけの出費でマイカーを保有できるのは素晴らしいことだ。

 だが、各部が安っぽかったり機能が低かったり装備が悪かったりしては、ファミリーカーとしての魅力は半減する。実際、大衆車の最低価格グレードは装備を剥ぎ取って価格を下げた実質ダミーグレードだったり、法人ユース向けだったりすることが多い。フィットのベーシックはその点がひと味違っていた。

 まず、クルマの快適性や走りに直接関わる足回りだが、開発を手がけた本田技術研究所関係者によれば「(クルマの床面と地面の距離を拡大した)クロスターを除くと、グレードによる足回りの格差はなく、どれも同じ」であるという。

 ちなみに試乗したホームについていたオプションの55扁平タイヤはベーシックには装着できないが、その扁平タイヤが少しクルマに合っていない感があったので、標準の185/60R15タイヤであることはむしろ歓迎すべきポイントかもしれない。

 運転席も上位グレードと同様、シートの高さ調整機能が備えられている。大柄な人から小柄な人まで、ドライビングポジションを自分に合わせて調節することが可能だ。

 パワートレイン、足回り、運転席が同じというのは、上位グレードと基本性能の差がなく、ドライブにおいては同等の満足度を得られることが期待できる。これがおススメの第一点。

室内が広く乗り降りしやすい(新型フィット/HOME)

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