国内

皇宮警察未成年飲酒事件から考察 「お酒は20歳から」の違和感

評論家の呉智英氏

 成人式に集まるのは二十歳の人たちだが、日本は2022年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられる。未成年飲酒が発覚したため処分すると発表した皇宮警察の報道から、お酒は二十歳になってから、が抱える矛盾について、評論家の呉智英氏が考えた。

 * * *
 三月十日付朝日新聞に皇宮警察の不祥事を報じる記事が出ていた。「皇宮警察学校の学校長と未成年の学生らが懇親会などで飲酒をしていたことが」発覚し「30人前後が処分される見通し」だという。高校卒業後すぐの未成年学生が混じっていたのである。

 記事は続いて、施設内で「みだらな行為」をしていた男女の護衛官(皇宮警察所属)や入浴中の同僚女性を「のぞき見」した男性護衛官も処分されることになった、とする。

 みだらな行為やのぞき見の方は、確かに処分も当然だろう。しかし、未成年学生の懇親会での飲酒の方はどうだろうか。

 未成年者の飲酒は、大正十一年(一九二二年)の未成年者飲酒禁止法で禁止されているし、喫煙も明治三十三年(一九〇〇年)の未成年者喫煙禁止法で禁止されている。しかし、現実にこれがどれだけ守られているか。

 五十年ほど前の私の学生時代、政治問題や学内問題で学生たちが騒ぎ、一九六九年には大学管理法が成立するまでになった(二〇〇一年に廃止された)。この法律の成立自体がまた運動の標的となった。しかし、私は大管法など敢えて作らなくても、未成年者飲酒・喫煙禁止法で学生をいくらでも取り締まれるではないかと思った。

 当時入学シーズンになると、自治会や政治党派、またそれらの息のかかったサークル、思想傾向が近いゼミなどが新入生を勧誘し、歓迎コンパを開いた。新入生の大半は未成年だし、在校生の中にも未成年者はいる。そこへ警官が踏み込めば一網打尽ではないか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
マレーシアのマルチタレント「Namewee(ネームウィー)」(時事通信フォト)
人気ラッパー・ネームウィーが“ナースの女神”殺人事件関与疑惑で当局が拘束、過去には日本人セクシー女優との過激MVも制作《エクスタシー所持で逮捕も》
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
本州に生息するツキノワグマ。体長120~180センチほど。最近では獣害の被害が増えている(イメージ)
「クマはなるべく山に返す努力をするべき」「クマと戦争は間違っている」と訴える動物保護活動家の主張 棲み分けと学習放獣でクマ被害はなくなるのか?
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン