ライフ

“トナラー”問題、日本人が不快に感じる対人距離感は?

真隣りは止めて欲しい…

 お笑い芸人の松本人志はテレビ番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)で“トナラー体験”に対して怒りを露わにした。“トナラー”とは、駐車場やトイレ、電車で、多くの空きがあるにも拘わらず隣に来る人のことだ。

 パーソナルスペースとは、それぞれの人が持つ「縄張り意識」のようなもの。他人に入りこまれると不快に感じる空間で、その広さは文化や民族的背景、性別などによって異なると言われる。

 米国の文化人類学者エドワード・T・ホールの分類によれば、自身の45cm以内に近づいても不快ではないのは恋人や家族などの近しい人のみ。職場での同僚との距離は120~350cm程度が心地良いとされている。

 日本人のパーソナルスペースについては「欧米人より狭い」との研究結果もある。調査を行なったハリウッド大学院大学教授(パフォーマンス学)の佐藤綾子氏が解説する。

「1988年から現在まで32年に亘り、日本人の男女約900人を対象に実験を行なったところ、日本人のパーソナルスペースは欧米人の3分の1程度ということがわかりました。つまり縄張りが小さく、対人距離に鈍感なことが判明したのです」

 日本に“トナラー”が多いのは、「他者と近づくことに比較的、寛容な人が多い」という背景があるのかもしれない。臨床心理士の植木理恵氏が指摘する。

「実は、かつて日本人はみんな“トナラー”だったんです。狭い国土にひしめき合って暮らしてきたため、端から詰めて座るのが礼儀とされていた。ところが、欧米化が進むに連れ『パーソナルスペースを侵されると気分が悪い』という人が増えてきたのです」

 袖振り合うも多生の縁とは言うものの、感染予防が叫ばれるなか、対人距離には注意を払ったほうが良さそうだ。

※週刊ポスト2020年4月3日号

関連記事

トピックス

2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
「鳥型サブレー大図鑑」というWebサイトで発信を続ける高橋和也さん
【集めた数は3468種類】全国から「鳥型のサブレー」だけを集める男性が明かした収集のきっかけとなった“一枚”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン