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『いだてん』最後から2番目の聖火ランナーモデルが明かす真実

井街さんは走り高跳びの元・日本記録保持者(提供/井街氏)

 1964年東京五輪の聖火リレーには10万人もの走者が参加した(2020年は約1万人)。最終走者が、広島に原爆が落とされた1945年8月6日生まれの故・坂井義則氏であることはよく知られている。その坂井氏に聖火のトーチを渡した最後から2人目の走者は、中学3年生だった井街(旧姓・鈴木)久美江さんだった。

 また、その20日前、岡山市で聖火リレーを走った松山正春さんは、2020年東京五輪でもグループランナーとして聖火リレーに加わる。井街さんと松山さんに、56年前の聖火リレーの思い出を聞いた。

◆井街(旧姓・鈴木)久美江さん

【走った区間:10月10日 東京都渋谷区 明治神宮外苑~国立競技場区間

 最終日のランナーに選ばれた時は本当にびっくりしました。中学3年でしたし、出番が最終ランナーの坂井義則さんの直前だったこともあって、マスコミの取材攻勢がすごかった。

「成績優秀」「文武両道」など、好き勝手に書かれて(笑い)。でも学校では友人たちも変わらずに接してくれました。後年、同級生に「お鈴は私たちの誇りだ」と言ってもらえ、すごく嬉しかったです。

 大河ドラマ『いだてん』の最終回で、私が坂井さんに「がんばって!」と伝える場面が描かれましたが、実際には「坂井さん、大丈夫ですか?」と声をかけました。「階段には気をつけるよ」と言って走り出した坂井さんのフォームが、とにかく綺麗だったことが印象に残っています。

最終日のランナーに選ばれた井街(旧姓・鈴木)久美江さん

●いまち・くみえ/1949年生まれ、千葉県出身。桐朋女子中3年時、開会日の走者に抜擢。1971年に走高跳で1m73cmの日本記録(当時)を樹立。写真左が本人、向かい側が坂井義則さん。

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