国内

コロナ騒動で鬱憤たまる若者とアクティブシニアの分断が深刻化

卒業式も中止。写真は2008年東京大学卒業式(時事通信フォト)

卒業式も軒並み中止(イメージカット。時事通信フォト)

 いつまでも元気に活動的なシニアが増える一方で、時間と金を次世代へ何も引き継ごうとしない勝手気ままな姿勢を批判するような言説がネットを中心に目立つようになった。新型コロナウイルスによって生活に様々な不便が生じているいま、これまでよりもそういった声が強まっている。ライターの宮添優氏が、リポートする。

 * * *
 新学期を迎える春は、本当なら新しい出会いへの期待に胸を膨らませる季節だ。しかし新型コロナウイルスが世界中に広がった2020年春に限っては、若者たちは鬱々とした気分にさせられている。全国の小中高校で「休校」措置がとられ、卒業式は取りやめもしくは大幅に規模を縮小して実施。入学式も早々に取りやめとなった学校もある。時間があっても旅行へ出かけることも叶わず、アルバイトをしようにも客が少ないからとシフトを減らされて稼ぐことすらできない。自宅幽閉を余儀なくされている彼らが、SNSに次々に不満をぶちまけるのも無理はない。

「俺たちじゃなくて、高齢者の外出自粛を要請するのが理にかなっていませんか? 実際、感染者も高齢者が多く、体が弱っていたり疾患があれば致死率だって高い。それなのに高齢者は自由に遊びまわって、その結果感染したり人にうつしたり、中には亡くなる人がいて”日本で感染拡大が止まらない”なんて言われても。休校後一週間は家に閉じこもってましたが、馬鹿らしくなって普通に友達と遊びまわっています」

 こう話すのは、都内在住の大学3年生・都築翔太郎さん(仮名・21才)。ふだんはニュースをチェックする習慣もそれほどないが、学校へ行けず出かけることもできず、自宅にこもっていたら嫌でも新型コロナウイルスについてのニュースばかりが目につく。すると、高齢の感染者がジムに通っていたり外食に出かけていたり、ライブハウスに足を運んでいると伝えられていた。自身の感染を認識しながら「フィリピンパブ」で遊んでいた人までいる人については、さすがに年代に関わらず無頓着すぎる人だとは思うが……。

 都築さん自身は就職活動も始まるタイミングだが、このまま様々な自粛が続けば、自身の将来にも影響が出るのではないかと懸念する。

 春から新社会人の都築さんの先輩、丸尾研さん(仮名・21才)も、似たような不満を訴える。

「私たちは一生に一度の卒業式も我慢し、家に閉じ込められていました。なのに感染にもっとも気をつけるべき高齢者が自由に遊び回っている様子なのは納得がいかない。確かに、活動的な若い人がウイルスの媒介者になれば、当人の発症がなくても、うつされる高齢者が増えるという理屈は理解できます。ただ、高齢者は遊んでいい、若者が外に出ていてけしからん、怖い、ダメというのは違いませんか?」(丸尾さん)

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン