◆がんばって継続しているデイケアに感謝!

 サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)から、母の部屋のトイレットペーパーがなくなりそうだと連絡が来た。普段ならありがたく受け取る知らせだが、軽く舌打ちしたい気分。

 東京の市街地ではデマの影響が長引いているようで、私の家族用のトイレットペーパーを早朝から並んでやっと1袋購入したところだったのだ。

 母の分の購入に多くの時間を割くわけにもいかない。わが家の分から当座の4ロールと、なぜか認知症になってから母が手離さない箱ティッシュを3箱、届けることにした。

 途中母が通うデイケアの前を通った。偶然母の通所日だ。高齢者が集団で濃厚接触する地域のイベントやサロンは自粛休止するところも増えているが、母のデイケアは活動や交流の場を死守すべく、がんばって継続している。

 中をのぞくと顔見知りの職員さんが駆け寄って来た。

「まぁMさん(母)の娘さんね! 少しだけならいいわよ。会って行って」と、隠れ家をこっそり案内するスパイのような口ぶりがおかしかった。でも部屋には入れず、手にたっぷり消毒液をかけられた。

「あらNちゃん! どこかで見た顔だと思った(笑い)」

 予想に反して元気な母が、スキップする勢いで向かってきた。ご無沙汰への皮肉も言えるあたり、頭の活力の方も上々のよう。ひと安心だ。

※女性セブン2020年4月16日号

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