「広大な国土と、転職が盛んでキャリアアップのために大学に進学したい社会人に対応するため、1990年代にアメリカの大学では、いち早くオンライン教育を導入しました。地域により差は大きいものの、他の学校でも広がっています。

 イギリスやオーストラリアでは、登校が難しい子供の学習権を保障する観点からオンライン教育が進み、フランスでは不登校や病気の子供への教育を保障するため、国がオンライン教育のインフラを整備しているところです」(谷本さん)

 仏パリ在住で、チーズ専門店『フロマージュリーヒサダ』代表の久田惠理さんは、13才の長男がパリ市内の公立校に通う。

「PCNといって、パリでは教員、保護者、生徒が利用可能なアプリにより、以前からオンライン化されています。個別のIDでログインして教員からの連絡事項や授業の予定、宿題などを確認します。欠席した場合、その日の学習内容を入力してくれるので、家でも勉強できます」(久田さん・以下同)

 だが、インフラの整備は充分とは言いづらく、休校直後はアクセスが集中して学校のサイトがダウンしたことも。

「休校中は、オンラインで宿題や読書感想文の課題が出るほか、時間を指定してテストも実施しています。といっても、その時間にみんなやってくださいねというだけ(苦笑)。フランスは自己責任の国で、課題は出ても、やるかやらないかは本人次第。日中、私は仕事のため、家には息子ひとりですから、その点は心配でもあります」

 オランダ在住で小学5年生と6年生の2人の息子がいるファン・デル・ハムさんによると、授業のオンライン化は学校でまちまちだという

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