「オランダの小学校はすべて公立で、息子たちの学校はオンライン化が遅れている方。休校になったとき、短期間で自宅で使える環境を整えるのに、大変苦労したようです。
いまでは無事整備され、子供たちには国語や算数を中心に課題が出されました。使い慣れた教材を使っているので楽しみながら学習できているようですし、たまにデジタルツールで友達とチャットができるのもうれしそうです」(ファン・デル・ハムさん)
アジアを見ると、中国や台湾は、今回の騒動で一気にオンライン化が進んだ。その裏には、そもそも利便性を好む国民性であることと、もう1つ、「教育熱の高さ」があると谷本さんは言う。
「中国や台湾は親が教育熱心で、たとえ何があっても授業の遅れは許さないと、多くの人が考えています。親が積極的に子供の教育にかかわってくるので、オンライン化は日本より、もともと進みやすい基盤があります」(谷本さん)
台湾は初動の迅速な対応により、学校はすでに再開。他方、中国・湖北省の大学院生の女性、郭暁燕さん(仮名)はこう話す。
「コロナ騒動前は、ネットで授業が生配信されたことはありませんでした。ところがいまは一気に整備が進んだ。3月に入ってからは、『騰訊課堂』というソフトを使い、スマホやパソコンで、ライブ中継の授業を受けています。画面上に出席者が表示され、先生から指されて質問に答えることもあります」
ネット環境は快適で、学校からは100元(約1500円)のネット手当も支給されたというから驚きだ。
◆数か月後には世界のデジタル格差が如実に