そもそも、五輪が開催されることとマンション市場はほとんど関係がないはずだ。なぜなら、五輪開催によって競技会場や選手村近辺の住宅需要が急増するようなことはないからだ。

 ただ、国内外の注目が集まることでエリアへの認知度は高まる。そのこと自体はエリア内のマンションの資産価値評価にはプラスに働く。しかし、それは所詮一時的なことである。

 私はかねがね五輪閉幕後の“祭りの後”感によって、このエリアの住宅需要は急速にしぼむのではないかと危惧してきた。例えば、競技会場が多く設けられる江東区の有明エリアは交通利便性の悪いところである。それに加えて大雑把な都市計画で街が作られたので、きわめて使い勝手が悪い。

 コンベンションセンターやビッグサイトがあるので、東京に住む人なら何度かは訪れたことがあるはずだ。公共交通機関でのアクセスが不便なうえに、どこに行くにもかなりの距離を歩かされる。しかも街の風景が荒漠としているので街並みを眺めて歩く楽しみが薄い。そういう無機質な街並みの中にいくつかのタワマンが立っている。

 これからも、新しいタワマンが生まれ続けるだろう。見渡す限り、土地ならいっぱい余っているからだ。東京五輪が1年延期で無事に開催されれば、このエリアはそれなりに華やぐだろう。

 しかし、多くの人はもはや熱に浮かされないはずだ。なぜなら、2013年の五輪開催決定で実力不相応に値上がりしたこのエリアのマンション価格は、中古市場において急速に調整される可能性が高いからだ。つまりは「暴落」と呼んでいいほどの下落が起こる可能性がある。

 その理由は、これから起こる世界的な景気後退である。

関連キーワード

関連記事

トピックス

五輪出場を辞退した宮田
女子体操エース・宮田笙子の出場辞退で“犯人探し”騒動 池谷幸雄氏も証言「体操選手とたばこ」の腐れ縁
女性セブン
米国ハリウッド女優のデミ・ムーア(本人のインスタグラムより)
【61才で紐みたいなビキニ姿】ハリウッド女優デミ・ムーアが大胆水着で孫と戯れる写真公開!「豊胸手術などで数千万円」驚愕の美魔女スタイル
NEWSポストセブン
熱愛を報じられたことがないSixTONESジェシー
《綾瀬はるかと真剣交際》熱愛を報じられたことがないSixTONESジェシー「本当に好きな彼女ができた」「いまが本当に幸せ」と惚気けていた
女性セブン
伊藤被告。Twitterでは多くの自撮り写真を公開していた
【29歳パパ活女子に懲役5年6か月】法廷で明かされた激動の半生「14歳から援助交際」「友人の借金を押しつけられネカフェ生活」「2度の窃盗歴」
NEWSポストセブン
中学の時から才能は抜群だったという宮田笙子(時事通信フォト)
宮田笙子「喫煙&飲酒」五輪代表辞退騒動に金メダル5個の“体操界のレジェンド”が苦言「協会の責任だ」
週刊ポスト
熱愛が発覚した綾瀬はるかとジェシー
《SixTONESジェシーと綾瀬はるかの熱愛シーン》2人で迎えた“バースデーの瞬間”「花とワインを手に、彼女が待つ高級マンションへ」
NEWSポストセブン
熱い男・松岡修造
【パリ五輪中継クルーの“円安受難”】松岡修造も格安ホテル 突貫工事のプレスセンターは「冷房の効きが悪い」、本番では蒸し風呂状態か
女性セブン
綾瀬はるかが交際
《綾瀬はるか&SixTONESジェシーが真剣交際》出会いは『リボルバー・リリー』 クランクアップ後に交際発展、ジェシーは仕事場から綾瀬の家へ帰宅
女性セブン
高校時代の八並被告
《福岡・12歳女児を路上で襲い不同意性交》「一生キズが残るようにした」八並孝徳被告は「コミュニケーションが上手くないタイプ」「小さい子にもオドオド……」 ボランティアで“地域見守り活動”も
NEWSポストセブン
高橋藍選手
男子バレーボール高橋藍、SNSで“高級時計を見せつける”派手な私生活の裏に「バレーを子供にとって夢があるスポーツにしたい」の信念
女性セブン
幅広い世代を魅了する綾瀬はるか(時事通信フォト)
《SixTONESジェシーと真剣交際》綾瀬はるかの「塩への熱いこだわり」2人をつなぐ“食” 相性ぴったりでゴールインは「そういう方向に気持ちが動いた時」
NEWSポストセブン
いまは受験勉強よりもトンボの研究に夢中だという(2023年8月、茨城県つくば市。写真/宮内庁提供)
悠仁さま“トンボ論文”研究の場「赤坂御用地」に侵入者 専門家が警備体制、過去の侵入事件を解説
NEWSポストセブン