芸能

高田文夫氏 50年前に初めて志村けんさんを見た伝説の稽古場

高田文夫と志村けんの出会いは50年前

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、新型コロナウイルスに感染し、急逝した志村けんさん(享年70)の思い出についてお送りする。

 * * *
 今から50年前。私が21歳、志村けんが20歳の時、ふたりはまだ“なにもの”でもなかった。私は大学生からクレージーキャッツ、ドリフターズの日劇の演出家だった塚田茂の弟子のようなものに。志村は高校卒業間近にいかりや長介に弟子入りし、業界言葉で言うボーヤ(付き人)をずっと続けていた。

 すでに人気を博していた『8時だョ!全員集合』のTBS、伝説の稽古場で最初に志村を見た。なにしろリーダーいかりやは“笑い”の求道者。仕事にきびしく、30人くらいの会議室も昼から夜中まで連日もの音ひとつ立てられない“戒厳令の夜”だった。いつも一番隅っこにいた私は一服しにそっとドアを開け表へ。そこには両腕に冷たい水を入れたヤカンを下げた志村、すわ親治ら若手がいる。

 志村が小声で「なにがいかりやだバカヤロー。いつかやってやるからな」とファイティングポーズを見せた。部屋の中から「オーイ」、すかさず志村「ハイハイ」と調子良くヤカンを持っていく。部屋の中では荒井注が鼻毛を抜いてるか、むずかしい本を読んでいる。高木ブーはいつも寝ている。

 志村は根っから音楽が好きでミュージシャンなのである。体の中にいつもロックとソウルが流れている。だからジャズ喫茶のドリフが好きなのだ。あとで分かった事だが、私も志村もあのビートルズ武道館公演を同じ日の同じ回に見ている。この日はドリフは前座ではなかったというのが笑える。追悼の記事など読むと“芸人ひと筋”など分かった風なことを書いているが、志村けんは「芸人」ではなく「ミュージシャン」であり「コメディアン」なのだ。「ヒゲダンス」のあの動きはグルーチョ・マルクスだし「イッチョメイッチョメ」も「ワーォ」なのだ。

関連記事

トピックス

事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン