◆歌心を伝えられる歌手になれるように地道に努力をしたい
この日はCS放送歌謡ポップスチャンネルの人気番組『演歌男子。』の収録に参加。同番組は若手男性歌手が出演するトークバラエティーだ。歌謡コーラスグループ・斬波、新浜レオン(23才)の同世代歌手と、わちゃわちゃ楽しく盛り上がった。
「初めてテレビのお仕事をさせていただいたのが、『演歌男子。』。この番組がなければ、いまこうして歌わせてもらっていないだろうなと思うくらい、たくさんのきっかけをくれた番組です。この場所から山内惠介さん、三山ひろしさん、純烈さんといった先輩がたが紅白へと進んでいきました。
その背中を追いかけてぼくら世代も切磋琢磨してもっともっと演歌を広めていきたい。純烈さんにはバラエティーのいろはも学ばせてもらい、今日のトークでも“純烈さんだったら”と思い出して自分なりにアレンジしたりもしました」
収録後は地元の埼玉へ移り、歌手になる前からひとりでも通う行きつけの焼肉店を訪れた。お世話になった人をおもてなしする「ぼくの手が届く範囲でいちばんおいしいごはん」なのだという。イチオシは1人で3~4人前食べることもあるホルモン。
特製味噌だれに漬け込んだ大好物が焼き上がると箸が止まらず、どんぶりご飯があっという間に空っぽに。実はかなりの大食漢だとか。
「食べ盛りはどんぶり5杯くらいで、いまでも一晩で4合くらい食べます。料理を作ることも好きで、ショートケーキやチーズケーキなどお菓子も作ります。たまにクッキーが無性に食べたくなって、生地をこねて作ることも。餃子の皮くらいの大判のクッキーを頬張る瞬間が幸せです」
昨年末の誕生日で30代を迎えた真田。
「勢いで歌う20代、味が出る30代、味を磨く40代──そんなふうに自分では考えているのですが、『味』というのは自然に出てくるものではないと思う。地道に歌い続ける中で徐々に個性が磨かれ、ひと声聴くだけで涙を流してもらえるような歌手になれるのではと考えています。
声がきれいだから、歌がうまいから涙が出るというのではなく、歌心があるから涙を誘う。30代は心を伝える歌を歌うために努力をしたいと思っています。いろいろな真田ナオキの歌を伝えられるよう、声の色や表現力を鍛えてさまざまな作品に挑戦したいです」
真田自身、涙もろい。取材でファンとの交流を語りながら思わず涙が出そうになり、趣味の競馬にも人柄がにじむ。
「競馬が好きなのはそこにロマンがあるから。応援していた父馬、母馬から子供が生まれ、その子を応援して…という歴史にグッとくるんです。馬券を見返すとその時々のレース風景がよみがえり、号泣してしまうこともあります」
競走馬を見た感動で涙して以来、馬券は純粋に思い出のために買うと語る。真田の歌にはきっと、そんな繊細な感性も歌心として込められているのだろう。
■撮影/中村功
※女性セブン2020年4月23日号