アビガンは新型コロナにも効果があるのか。開発に携わった千里金蘭大学副学長の白木公康さんが話す。
「中国の研究で治療効果が示され、発症後6日までにのむと、平均4日で新型コロナウイルスが消えるという結果が出ています。肺炎の後遺症も最小限にでき、その患者が高齢になっても呼吸機能は保持できると考えられています」
4月3日、政府はアビガンの提供を要請する約30か国に、無償供与する方向で調整していることを明かした。世界からも注目されるこの治療薬、日本では市場に流通していないものの、医師と相談し、国立国際医療研究センターから配布を受ければ使用可能だという。
また正式な承認に関しては、現在、治験の最終段階である第3相臨床試験に進んでおり、6月末にも終了する見通しだ。
「早ければ7月以降。そう遠くない時期に期待できるでしょう」(白木さん)
気になるアビガンの副作用だが、尿酸値の上昇や、胎児に影響する可能性があるため妊婦は使用できないなどの制限がある。一方、感染を予防するワクチンの登場について、大西さんはこうみている。
「最新情報では、米国と中国を中心に60のワクチン候補の研究が進んでいます。多くはウイルスの一部を抗原として、免疫を誘導するワクチンを作るのですが、利用可能になるまでに、少なくとも1年~1年半ほどかかるでしょう」
まずは治療効果が見込める薬を。アビガンが特効薬になるか否か世界中が見守っている。
※女性セブン2020年4月23日号