国内

ヤンキー講師の意欲、YouTube予備校を開設し「教育格差なくす」

ビシッとポーズを決める吉野。「写真で笑うのはむずかしいよね」と照れくさそうに笑う(撮影/田中智久)

 ハイブランドの派手な柄シャツにギラギラの高級腕時計、気合の入ったリーゼント――。代々木ゼミナールや東進ハイスクールなど有名予備校の古文講師として教壇に立ち、28年。“ヤンキー先生”こと吉野敬介(53才)が独特なスタイルを貫くのには理由があった。

「講師は実力や教え方だけが秀でていてもだめ。独自のノウハウを確立して期待以上のパフォーマンスをしなければ1年間生徒を惹きつけるのはむずかしいんです。エンターテイナーとしての強烈な個性が不可欠だと考えて、見た目も含めて、“予備校講師・吉野敬介”というブランドを演出してきました。

 東大を出た先生は学力で売れるけれどぼくは國學院。自分の売り物として生き様を教えたい、『それもひとつのおれの授業なんだ!』という思いがある。だから授業では暴走族時代の話もするし、髪も中学時代からのリーゼント。セット時間は30分くらいかな」(吉野・以下同)

 中学時代から暴走族に入り、特攻隊長を経験。「バイクとケンカに明け暮れて高校を卒業できるかどうかもわからないのに、大学へ行くなんて発想は頭にもなかった」と語り、どうにか高校を出ると暴走族専門の中古車販売店に就職した。だがその後、失恋をきっかけに大学受験に目覚めることとなる。

「フラれた彼女に大学生の彼氏ができて、見返してやるぞと特攻魂に火がついた(笑い)。でも中高とロクに勉強しなかったから、学力はまぁひどいもので…予備校で『〇〇を知らないとボキャブラリー不足ですよ』と言われても『で、ボキャブラリーって何?』なんてね(苦笑)。自分よりバカなやつは存在しないと思っていた。それでも代ゼミの有坂誠人先生に出会って古文の面白さを教えてもらい、本気で古文を勉強してみたいと先生に相談したら國學院大をすすめられたんですよ。きっかけは不純な動機でも、結果的に受験に挑戦したことで人生が開けました」

 その情熱で一途に予備校講師の道へ進んだのかと思えば、恩師の“課外授業”が次なる動機へ結びつく。

「合格して小遣いでウイスキーを買って有坂先生の家へお礼に行くと、自宅は青山一丁目。駅を出て国道246号を歩きながら、こんな場所に人が住んでいるのかと驚いた。で、お祝いにレストランへ連れて行ってもらったらドリアがなんと4000円。ビーフシチューもいいなと思ったら、それまた4000円するじゃない。

こっちはファミレスで1000円のメニューを食うにも勇気がいるのに4000円の食べ物なんてこの世にあるのかよって。どっちにしようか迷っていたら『シチューをおかずにドリアを食べたら?』とすすめられて、メシに8000円なんてありえないと震えたよね。その経験があまりに衝撃で、お金を持っている人に憧れて。自分も予備校講師で売れたら先生みたいになれるかな、という野心が原点なんです」

特注のロレックスは1500万円

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン