ライフ

認知症の母が上機嫌になる家電、夢は自由で無限大 しかもタダ

買わなくとも、量販店に出かけるのは好き(写真はイメージ)

 認知症の母(85才)を介護するN記者(56才・女性)。そんな認知症の母が上機嫌になることのひとつに家電がある。いつまでも主婦の心を忘れていないのだな、そして家電に描く「夢は無限大!」と母の姿を見て思ったのだった。

 * * *
「へぇ~これ冷蔵庫? たんすみたいね」と母がつぶやいたのは、散歩のついでに立ち寄った家電量販店でのこと。コロナ騒動など想像すらしていない昨秋頃のことだ。

 確かに冷蔵庫の外観は、言われてみれば昔の洋服だんすのようだった。観音開きの冷蔵室、引き出し式の野菜室、冷凍室にも賑々しく食べ物の写真が配置されていた。

「冷凍食品も野菜もこんなにたくさん、きれいに詰まっているわね~」

「えー、感心するの、そこじゃないでしょう(笑い)」

 若い頃、母はわりと堅実な主婦だった。家計簿こそつけていなかったが、家財道具は必要最低限。最新の流行や華美なものは一切なかった。

 でもなぜかデパートの家電売り場を見て歩くのは好きだった。だから父が亡くなった直後には、母の好きな書店と、用もないのに家電量販店によく行ったものだ。

 最近はマッサージチェアのお試しコーナーもお気に入り。遠慮なくどんどん試す。昔控えめだった母が操作スイッチをガチャガチャやる姿を見ると、やはり認知症のせいかなとも思うが、殻を破って楽しめるなら、それもまたよしだ。

「石窯で焼いたみたいなピザができるって。かまど炊きみたいな炊飯器だって!」

 身近な調理家電コーナーではさらにエキサイトする母。

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン