芸能

アナ歴56年の大沢悠里、コロナ禍で注目のラジオの使命を語る

ラジオはリスナーに届きやすくなっている(写真/ゲッティイメージズ)

 東京をはじめ、関東圏では幅広い年齢層におなじみ。TBSラジオの人気長寿番組『大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版』パーソナリティーの大沢悠里さん。今ではインターネットラジオ『radiko』も普及して、全国で聴けるようになった。

 緊急事態宣言下で緊迫感が募る中、番組に寄せられる投書は増加中だという。こんなときこそラジオの力を発揮し、日常を届けたいと言う大沢さんに、あらためてラジオの魅力を語ってもらった。

◆演出のない速報性 安心を届けるラジオ

「毎週土曜日、いまも電車通勤です。お昼にコンビニでおにぎりを買ったりもしますが、切迫した空気をヒシヒシと感じます」と、大沢さんは引き締まった表情を見せた。

 新型コロナの感染リスクを憂慮しながらも、生放送を続ける現役生活者の1人だ。

「東日本大震災(2011年)や昨年の台風19号のときを思い出しますね。被災者をはじめとする多くの人が、ラジオを頼りに聴いてくれていたんです。

 ぼくは絶対に興奮しないようにと心してマイクに向かいました。世の中がみんな大変なときは、冷静な声が支えになる。悲惨な状況だけでなく、“この地域は大丈夫”“慌てないで”と呼びかけました。後から“聴いていて安心した”という声をたくさんいただいてうれしかったですね」

 いまこの非常事態にも、大沢さんのゆったりとした明るい口調は変わらない。非常事態の背景に、大切な日常生活があることを伝えたいという。

「テレビは映像を撮って組み立て、時にはセンセーショナルに演出して伝えることもあります。そしてラジオはいま起きていることを速やかに伝えるのが使命です。

 畑仕事や食堂の仕込み、タクシーの運転などをしながら聴いてくれている多くの人たちの“日常の話”をしながら、大事なニュースを差し込んでいく。アナウンサーを56年やっていますが、ラジオのこんなところが大好きなんです」

◆親しい友のように声で寄り添える喜び

 ラジオのもう1つの魅力はパーソナリティーの親近感。

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