国内

ペットとのキスはやめるべき 感染症・ズーノーシスの恐れあり

中国やアフリカ、中東などの市場では、野生動物が食品や家畜の餌として取引される。写真は中国・広州市の野生動物市場(写真/共同通信社)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、ソーシャルディスタンスの必要性が伝えられている。私たちが適度な距離を保つべきは、人間同士に限った話ではない。

 近年、「ズーノーシス」という、人間とそれ以外の脊椎動物の両方に起こる感染症が問題となっている。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授で世界的ベストセラーの『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』(草思社文庫)の著者ジャレド・ダイアモンドさんは、読売新聞(4月10日朝刊)のインタビューでこう語っている。

《歴史的に見て、私たちが知る大抵の疫病は野生動物、あるいは家畜に寄生したウイルスが人間に感染して発症したものです。天然痘は主にラクダ、結核やはしかは主に家畜に由来します》

《2002年のSARSも発生源は中国の野生動物市場。コウモリに宿ったウイルスが市場で食用に売られていたハクビシンを経て人間に感染したのは間違いない。中国当局は2002年に野生動物市場を閉鎖すべきでした。閉鎖しなかったことがいまの事態を招いたのです》

 新型コロナは、中国・武漢市の生鮮市場で売られていた野生動物を発生源とする説が有力だ。

 専門家たちは、動物や自然との在り方を見直すときだと口を揃える。感染症流行地域の最前線で闘ってきた医師で、『感染症と文明―共生への道』(岩波書店)の著者、長崎大学教授の山本太郎さんはこう言う。

「野生動物と人間が接触するほど、新たな感染症が起こるリスクは高まります。森林を破壊して人間の活動域が広まれば、野生動物たちは行き場をなくし、接触する機会が増えるのです」

「ステイホーム」が世界で叫ばれてから、街中に珍しい野生動物が現れたというニュースも増加した。オーストラリアではカンガルーが、カリフォルニアではピューマやシカが出没しているという。今泉さんは、人間による「水」の占有を指摘する。

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見なえい恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン