コロナ対策で喫煙所は閉鎖されたが……(時事通信フォト)

コロナ対策で喫煙所は閉鎖されたが……(時事通信フォト)

 都内のメンタルクリニックに通院する神奈川県在住の自営業・シュウさん(40代・仮名)も、コロナ禍の影響で収入が激減。自宅でぼんやり過ごす日々が増えたところ「魔が差し」そうになることは、一度や二度ではない。

「不安でしょうがない、時間は有り余っているし自宅から出られないとなると、考えてしまうのはやはり薬物のこと。かつて覚せい剤とコカインを使用して捕まった経験があるんですが、もう10年以上、まったくやっていません。いわゆる『フラッシュバック』が起きたのは、今回が初めてです。以前は散歩に出なさい、趣味に没頭しなさいと先生に言われていたんですが、コロナでそれもできない。不安になって診てもらいにきたのです」(シュウさん)

 実際に「違法薬物」の流通量は増えているのか。かつて薬物売買に関与していた半グレグループ幹部・U氏が説明する。

「明らかに増えて、薬物の単価まで上がっています。末端価格が一グラム7000円だった大麻は、今は1万円でも買い手がつくほど。海外では、青空の下で大麻を吸ってパーティーをやったりしますが、日本における違法薬物の消費は、摘発から逃れるため家の中でこっそり行われます。薬物は思わぬ巣篭もり需要というわけです」(U氏)

 また、2000年代後半以降の違法薬物の流通は、大部分がネット上で行われてきた。ネット上で注文し、運んできた売人から購入したり、宅配便で届けてもらうパターンであるが、今脚光を浴びている飲食物などの「宅配システム」そのものだ。

「売人の数も足りなくなって、ネットを通じて運び屋が集められています。ウーバーイーツみたいに、飲食店の出前を装い、朝から晩まで堂々と薬を運びまくっている奴もいます」(U氏)

 我が国における新型コロナウイルス感染は、少なくとも一定の「押さえ込み段階」に入ったと見られてはいる。だが、コロナをきっかけに墜落してしまった人、再び泥沼に足を救われた人たちは、コロナ後の世界でどう生きてゆくのか。

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン