「現在の日本では、厚労省の結核感染症課が新型コロナ対策を仕切っています。しかし厚労省では3年を目安に人事異動があるため専門知識が蓄積されず、新型コロナ対策の初動対応にあたった職員が、第二波では別の部署にいることも起こり得ます。さらに厚労相とコロナ担当相に権限が二分されているのも、対応の遅れにつながる恐れがあります。専門家による集合知が正常に機能するためにも、日本でもアメリカや中国のようにCDCが設置されることが望ましい」

 規制を緩和すれば感染者は増える。増えれば再び警戒を強めることで感染予防と経済の折り合いをつけ続けていくほかないのが現実だ。

 主要国の中で日本は緊急事態宣言の解除が最も遅れてしまったが、見方を変えれば「他国の対策の善し悪しを分析する機会」を得たともいえるだろう。その利点を活かせるかが、第二波を食い止める鍵となる。

※週刊ポスト2020年6月5日号

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