障害と向き合いながらメダルをめざすパラリンピック選手の状況はさらに難しい。
先天的に両肘から先に障害を抱えながら、幼少時代から剣道やサッカーに取り組み、3年前から始めたパラテコンドーで東京五輪代表となった田中光哉選手(27才)が言う。
「パラリンピックの場合、進行性の病気を抱える選手もいます。その面でも延期の影響はあると思います」
田中選手の障害は進行性ではないためその面での影響はないが、延期による環境の変化は避けられなかった。
「道場は使わせてもらっていますが、出稽古や、テコンドーが盛んな韓国への遠征がなくなりました。テコンドーは競技者の人数がそれほど多くなく、外に出向いて練習する機会がなくなると影響が出ます。国際大会もすべてキャンセルになって、近い目標がなくなりました。これまで国際大会を目標にして、細かく区切って練習計画を立てていたので、それができなくなったことにも困っています」(田中選手)
※女性セブン2020年6月11日号