国内

虎ノ門ヒルズ駅開業で乗り換え活用の「新しい生活様式」も

東京メトロの日比谷線新駅「虎ノ門ヒルズ」の駅名看板(提供:東京メトロ、時事通信フォト)

東京メトロの日比谷線新駅「虎ノ門ヒルズ」の駅名看板(提供:東京メトロ、時事通信フォト)

 前回の東京五輪が開催された1964年に開業した東京メトロ日比谷線に、新駅「虎ノ門ヒルズ駅」が開業する。この開業と同時に東武伊勢崎線久喜と恵比寿を結ぶ「THライナー」が話題だが、利用者にとっては都内の地下鉄乗り換え時間が長くなることのほうが、地味だが影響が大きいだろう。ライターの小川裕夫氏が、虎ノ門ヒルズ駅開業に伴う変化についてレポートする。

 * * *
 今年3月14日、山手線では約半世紀ぶりの新駅となる高輪ゲートウェイ駅が誕生した。新型コロナウイルスの影響から開業式典は取り止めになり、駅前広場の整備も完了していない。そうした中途半端な状態ではあるものの、高輪ゲートウェイ駅には多くの注目が集まった。

 高輪ゲートウェイ駅に関する話題は多岐にわたる。山手線という日本を代表する路線なのに斬新すぎる駅名は、駅名決定の発表時から賛否を呼んだ。また、報道公開時には駅名標が明朝体で描かれていることが判明。それらも耳目を集めた。

 高輪ゲートウェイ駅のほかにも、今年に開業予定の注目すべき駅がある。それが、東京地下鉄道(東京メトロ)が6月6日に新規開業させる虎ノ門ヒルズ駅だ。

 虎ノ門ヒルズ駅は高輪ゲートウェイ駅と似たようなネーミング意図を感じさせる。それでも、高輪ゲートウェイ駅ほどの非難の声は目立っていない。裏を返せば、それだけ高輪ゲートウェイ駅への関心が高かったということでもある。

 高輪ゲートウェイ駅に比べると話題性に劣る虎ノ門ヒルズ駅だが、東京の交通全般を劇的に変える、これまでの鉄道利用の概念を覆す可能性を秘めた駅でもある。

 2006年に竣工した六本木ヒルズをはじめ1990年代後半から現在にかけて、森ビルは東京の一等地に高層ビルを次々と竣工してきた。そのため、森ビルはあたかも高層ビルの代名詞のような存在にもなった。そして、本拠地でもある虎ノ門に森ビルは念願だった虎ノ門ヒルズを完成させた。

 単に都心に立つシンボリックな高層ビルというだけではない。虎ノ門ヒルズは立体道路制度を活用し、東京都が長年の悲願としてきた環状2号線全通の道筋をつけた。

 2014年に開業した虎ノ門ヒルズは、隣接するビジネスタワーにバスのターミナルを整備。このターミナルは2020年に開催予定だった東京五輪をにらみ、中央区晴海などへとアクセスするBRT(バス高速輸送システム)や空港のリムジンバスが発着する。新型コロナウイルスによって延期が決まったが、本来なら五輪を支える交通のハブになる施設だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン