国内

「有名税」だとSNSで匿名の中傷リプを飛ばす若者の末路

有名人が相手なら何を言ってもよい?

有名人が相手なら何を言ってもよい?

 リアリティ番組「テラスハウス2019-2020」(Netflix及びフジテレビ系)に出演中だったプロレスラー木村花さんが急死、その背景のひとつにSNSでの誹謗中傷があったことが社会問題とななった。木村さんのSNSには一時、一日100件近い誹謗中傷がよせられていた。同番組は打ち切りが発表されたが、問題は残されたままだ。木村さんに限らず、SNSでは個人を標的にした誹謗中傷が多い。SNSのトラブル実態に詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが、SNSでの誹謗中傷実態と対策について解説する。

 * * *

「ネットでそう書いてあったから信じただけ。自分が書き込んだことは誹謗中傷に当たるのか。訴えられないか」

 40代パート主婦のAさんは、「○○(女性タレント)はビッチ。未成年の頃は窃盗やカツアゲの常習犯だった」という旨の投稿をしてしまったのが今になって心配だという。

 もともとその女性タレントのことは何とも思っていなかったが、ネットでそのような噂を見つけて腹が立ち、つい書き込んでしまったそうだ。書き込みは既に削除したが、何かの拍子にタレントから訴えられるかもしれないと不安になるという。

「パートをしても生活が苦しいのに、悪いことをしている人がタレントをしていい生活をしているのが許せなかった。ネットでも複数の似た書き込みを見かけた。ただ、お金もないし訴えられると困る」

 木村さんの悲劇は、SNSでの誹謗中傷が引き金のひとつとなって起きたと言われている。SNSなどのインターネットで誹謗中傷が多い理由は、匿名性の高さが原因だ。匿名性が高いと、人は攻撃性が高くなることが知られている。Aさんの例のように、うっぷんを晴らすために使われることも多い。中には、正義感を持って非難批判を書き込む人も少なくない。

 有名人やタレントなどに対しては、「有名税」という考え方がある。著名人であることを理由に、恋愛関係や不祥事が報じられ、結果として肖像権などが制限されることを税金にたとえて使われるのが「有名税」だ。それを勝手に拡大解釈して、SNSで有名人を非難批判していいと思う人もいるようだ。しかし、噂でしか知らない話は当然事実とはかけ離れているものだし、相手の尊厳を傷つけてよいわけがない。何より、悪意に深く傷つき、木村さんの例のように悲劇につながることもある。

関連記事

トピックス

ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
思い切って日傘を導入したのは成功だった(写真提供/イメージマート)
《関東地方で梅雨明け》日傘&ハンディファンデビューする中年男性たち デパートの日傘売り場では「同い年くらいの男性も何人かいて、お互いに\\\\\\\\\\\\\\\"こいつも買うのか\\\\\\\\\\\\\\\"という雰囲気だった」
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン