国内

山口組抗争 岡山銃撃で「22口径の拳銃」が使われた理由

物々しい空気がただよう銃撃事件現場

 コロナ禍の緊急事態宣言から明けてすぐ、その混乱に乗じて、山口組の分裂抗争が再燃した。5月30日、岡山市の歓楽街である北区田町で、神戸山口組池田組のナンバー2である前谷祐一郎若頭が銃撃されたのだ。銃撃したのは対立する六代目山口組の二次団体幹部で、即日逮捕された。この事件は抗争にどのような影響をもたらすのか。現場を取材したフリーライターの鈴木智彦氏がレポートする。

 * * *
 銃撃された前谷若頭は一命を取り留めた。が、22口径という小さな弾丸だったため貫通せず体内に残り、手術は大変だったという。22口径は、ヤクザにいわせれば「平手で頬を張った程度の音しかしない」らしく、「豆鉄砲と一緒や」(神戸山口組関係者)と明確に侮蔑される。実際、暴力団抗争では45口径のほか、殺傷能力の高い大口径の拳銃を選ぶのがセオリーである。

 抗争事件では、襲撃した側・および親しい組織がヒットマンの勇猛を賛美し、襲撃を受けた側・同盟組織が犯行を過小評価する。事件直後、神戸山口組側は、22口径を使用した点について、「最初から殺害の意志が薄く、及び腰のため、ヤクザとしては半端な犯行」と拡散した。実際、刑は軽いだろう。現代の抗争事件では1人殺して無期懲役が相場だが、ターゲットが生存しているため、有期刑判決になると思われる。実行犯は52歳だから、そうなれば70前後で娑婆に出られる。六代目山口組は組織をあげて抗争のヒットマンを労い、報いる。山口組が存在する限り、功労者として人生は安泰である。

 山口組の司令塔である高山清司若頭が出所した昨年来、六代目側は立て続けに暴力事件を仕掛けており、神戸側は防戦一方だ。とくにこの池田組は4年前の2016年5月31日、池田組の高木昇・前若頭が、六代目山口組弘道会傘下の組員によって殺害された事件の報複をしていない。どれだけ今回の襲撃が過小評価されても、池田組の“負債”はさらに増加したことになる。

「今のご時世、その日のうちとはいわないが、それでも、短期間で速やかに反撃するのがヤクザの喧嘩。たとえ幹部を殺せなくても返し(報複)の意思表示をしなくてはナメられる」(他団体幹部)

関連記事

トピックス

日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
実業家の宮崎麗香
《セレブな5児の母・宮崎麗果が1.5億円脱税》「結婚記念日にフェラーリ納車」のインスタ投稿がこっそり削除…「ありのままを発信する責任がある」語っていた“SNSとの向き合い方”
NEWSポストセブン
出席予定だったイベントを次々とキャンセルしている米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子が“ガサ入れ”後の沈黙を破る》更新したファンクラブのインスタに“復帰”見込まれる「メッセージ」と「画像」
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン
峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
2025年11月には初めての外国公式訪問でラオスに足を運ばれた(JMPA)
《2026年大予測》国内外から高まる「愛子天皇待望論」、女系天皇反対派の急先鋒だった高市首相も実現に向けて「含み」
女性セブン
夫によるサイバーストーキング行為に支配されていた生活を送っていたミカ・ミラーさん(遺族による追悼サイトより)
〈30歳の妻の何も着ていない写真をバラ撒き…〉46歳牧師が「妻へのストーキング行為」で立件 逃げ場のない監視生活の絶望、夫は起訴され裁判へ【米サウスカロライナ】
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト