結婚生活など小池知事のカイロ時代を語る上で欠かせない情報は一切言及されていない。そうした実態を知ると、これまで彼女の学歴詐称疑惑が繰り返し議論になるのも仕方がないとも思える。
本人もそれを自覚してか、2016年に都知事選に出馬した際、一度だけフジテレビのテレビ番組で卒業証明書を判読できる形で公開したことがある。
だが、証明書に書かれた文言や日付、スタンプなどにおかしな点があると検証されており、卒業証明書を不正に入手したのではないかとの疑念すら出ている。
◆日本のメディアに卒業証明書を配った
数年にわたって議論されてきた小池知事の学歴詐称疑惑。ここで筆者はひとつの結論を出したい。彼女は学歴詐称をしていない、と。いや、学歴詐称を証明するのは難しい、と言った方がいいかもしれない。
前述したように筆者はカイロで現地取材をした際、カイロ大学の日本メディア窓口である、文学部日本語学科長のアーデル・アミン・サーレ教授と接触。学内にある卒業者の記録書を調べてもらったところ、彼は「小池さんは首席ではないごく普通の成績ですが、1976年に間違いなく卒業している」と、断言した。
そして今回も改めてカイロ大学側に接触し、大学の広報による正式な見解を文書で受け取った。そこにはこう書かれている。
《1952年7月15日生まれの小池百合子氏は、カイロ大学のエジプト人または外国人に対する規則に従い、1976年にカイロ大学文学部社会学科の学士を取得したことを、ここに表明します。同氏は、自国で高職を得て、高く評価できる卒業生の一人であることを、カイロ大学として評価しています》
またこれまでの学歴詐称疑惑に関する記事については、《カイロ大学の卒業生の一人である小池百合子氏についての疑念を断固として拒否》し、《間違った情報を発信されたことについて強い遺憾を表します》と続けた。