国内

新型コロナ、重篤な後遺症の報告多数 一生苦しむ恐れも

無症状でも危ないコロナ。回復後に重篤な後遺症も(時事通信フォト)

 世界保健機関(WHO)によるパンデミック宣言から約3か月。すでに全世界で700万人以上が新型コロナウイルスに感染し、300万人近くが回復したとされる。

 感染者のうち、重症化するのは2割とされ、残り8割は軽症もしくは無症状で、症状が出たとしても、インフルエンザより少しきつい程度だという。多くの人が軽症もしくは無症状ですみ、回復者が増えているのは好ましい傾向だが、まったく油断できないことが明らかになりつつある。

 新型コロナから回復した人のなかで、重篤な後遺症が見つかる事例が世界中で次々に報告されているのだ。

 韓国では80代女性が、完治から9日後に心臓と脳の血管疾患で急死。その女性にはうっ血性心不全や高血圧などの持病があったものの、感染症回復後の後遺症が影響したとみられている。

《新型コロナの回復者3割に呼吸疾患などの後遺症が生じる恐れがある》

 5月末、イタリアの呼吸器学会が衝撃的な発表を行った。回復した感染者の調査や、同じコロナウイルス感染症であるSARSなどのデータから、新型コロナが肺に完治し難いほどのダメージを与える可能性があることがわかったという。少なくとも6か月は、肺にリスクのある状態が続く恐れが高いそうだ。

「新型コロナの後遺症として、まず考えられるのは肺への影響です。体内に侵入したウイルスは肺にたまり、肺炎など呼吸器系の疾患を引き起こします。その影響で肺が萎縮して肺組織が硬くなると、充分な酸素を得ることが難しくなる『肺線維症』を発症し、回復したのちも息切れが続く可能性がある。特に長期間、集中治療を受けていた患者ほど後遺症のリスクが高まるとされます」(医療ジャーナリスト)

 しかし、軽症者だからと安心はできない。

 オランダでは集中治療室から出た患者約1200人のほぼ全員の肺に何らかのダメージが残った。その一方で、集中治療を受けなかった入院患者約6000人の約半分には、今後数年間で何らかの症状が出る可能性があると現地メディア「NLタイムス」が報じている。インタビューに応じた現地医師によると「重症化しなかった患者にも後遺症は起こりうるので、回復後に息切れがしたり、運動量の落ちた人は肺の専門医に相談した方がいい」という。

 せっかく回復しても、一生にわたって息苦しさに悩まされるリスクがあるのだ。

◆サイトカインストームで微熱や頭痛が生じる

 さらに進んで、「無症状」の患者にも後遺症があるとの指摘がある。

関連記事

トピックス

鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
連覇を狙う大の里に黄信号か(時事通信フォト)
《大相撲ロンドン公演で大の里がピンチ?》ロンドン巡業の翌場所に東西横綱や若貴&曙が散々な成績になった“34年前の悪夢”「人気力士の疲労は相当なもの」との指摘も
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
イベント出演辞退を連発している米倉涼子。
《長引く捜査》「ネットドラマでさえ扱いに困る」“マトリガサ入れ報道”米倉涼子はこの先どうなる? 元東京地検公安部長が指摘する「宙ぶらりんがずっと続く可能性」
マンションの周囲や敷地内にスマホを見ながら立っている女性が増えた(写真提供/イメージマート)
《高級タワマンがパパ活の現場に》元住民が嘆きの告発 周辺や敷地内に露出多めの女性が増え、スマホを片手に…居住者用ラウンジでデート、共用スペースでどんちゃん騒ぎも
NEWSポストセブン
アドヴァ・ラヴィ容疑者(Instagramより)
「性的被害を告発するとの脅しも…」アメリカ美女モデル(27)がマッチングアプリで高齢男性に“ロマンス”装い窃盗、高級住宅街で10件超の被害【LA保安局が異例の投稿】
NEWSポストセブン
デビュー25周年を迎えた後藤真希
デビュー25周年の後藤真希 「なんだか“作ったもの”に感じてしまった」とモー娘。時代の葛藤明かす きゃんちゅー、AKBとのコラボで感じた“意識の変化”も
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト・目撃者提供)
《ラブホ通い詰め問題でも続投》キリッとした目元と蠱惑的な口元…卒アル写真で見えた小川晶市長の“平成の女子高生”時代、同級生が明かす「市長のルーツ」も
NEWSポストセブン
亡くなった辻上里菜さん(写真/里菜さんの母親提供)
《22歳シングルマザー「ゴルフクラブ殴打殺人事件」に新証言》裁判で認められた被告の「女性と別の男の2人の脅されていた」の主張に、当事者である“別の男”が反論 「彼女が殺されたことも知らなかった」と手紙に綴る
NEWSポストセブン
ものづくりの現場がやっぱり好きだと菊川怜は言う
《15年ぶりに映画出演》菊川怜インタビュー 三児の子育てを中心とした生活の中、肉体的にハードでも「これまでのイメージを覆すような役にも挑戦していきたい」と意気込み
週刊ポスト
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン