国内

混乱の大学入試 早稲田、上智、立教など選抜方式が超複雑化

2020年度に導入される「大学入学共通テスト」が入試を大きく変える(時事通信フォト)

2020年度に導入される「大学入学共通テスト」が入試を大きく変える(時事通信フォト)

 今年度から大学入試改革が行われる。大学入試センター試験(以下、センター試験)を廃止し、来年から新しく大学入学共通テスト(以下、共通テスト)が実施される。ところが、その共通テストの目玉だった民間英語試験の成績利用が延期され、記述式問題出題が見送りになった。

 これで共通テストは、今年のセンター試験とほぼ変わらなくなった。こうなると、来年入試への影響は限定的だ。負担が増えるため、国公立大離れが進むと予測されていたが、これにも一定の歯止めがかかると見られる。入試改革によって、今年から入試の名称は一般入試が一般選抜、推薦入試が学校推薦型選抜、AO入試が総合型選抜に替わる。

 ただ、この入試改革は国公立大だけでなく、私立大も巻き込んだものだった。国の入試改革に呼応して、一般選抜を大きく変える私立大も出てきたのである。

文系の政治経済学部で共通テストの数学も課されることになった早稲田大学(時事通信フォト)

文系の政治経済学部で共通テストの数学も課されることになった早稲田大学(時事通信フォト)

 早稲田大は政治経済、国際教養、スポーツ科学の3学部で、共通テストを受けていないと受験できなくなる。例えば、政治経済学部は共通テストの成績(英語、国語、数学I・A、選択科目の4教科4科目)と大学独自試験の成績で合否判定する。国立大と同じだ。しかも、共通テストは数学が課され、私立大3教科型の受験生は受けにくくなる。この他にも共通テスト利用入試を実施する。

 上智大と学習院大はこれまでセンター試験には一度も参加したことはなかったが、共通テストを使った入試を実施することになった。

 特に上智大は一般選抜で、従来の3教科型入試を共通テストと大学独自試験で合否判定する。大学独自試験では、学部・学科によって学科試問だけのところもある。この他に民間英語試験であるTEAPスコアを利用した入試、共通テスト利用入試がある。学習院大は新しく共通テスト利用入試を実施する。

 青山学院大も個別学部日程の入試では、経済学部を除き、共通テストと大学独自試験で合否を決める。一部の学部や学科では従来の方式も残る。この他にも全学部日程、共通テスト利用入試が実施される。

 立教大は文学部の2月11日の入試を除き、英語で大学独自試験は課さず、民間英語試験のスコアか、共通テストの英語の成績を利用する。さらに、試験日を5日用意し、理学部を除き、その中から自分の入試スケジュールにあった日程で受験することができるようにする。もちろん、全日程を受けることも可能だ。試験日自由選択方式といわれるものだ。

関連記事

トピックス

夜の街にも”台湾有事発言”の煽りが...?(時事通信フォト)
《“訪日控え”で夜の街も大ピンチ?》上野の高級チャイナパブに波及する高市発言の影響「ボトルは『山崎』、20万〜30万円の会計はざら」「お金持ち中国人は余裕があって安心」
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《ドッグフードビジネスを展開していた》大谷翔平のファミリー財団に“協力するはずだった人物”…真美子さんとも仲良く観戦の過去、現在は“動向がわからない”
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
悠仁さま(2025年11月日、写真/JMPA)
《初めての離島でのご公務》悠仁さま、デフリンピック観戦で紀子さまと伊豆大島へ 「大丈夫!勝つ!」とオリエンテーリングの選手を手話で応援 
女性セブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン