芸能

『愛の不時着』、気持ちをざわつかせるタイトルの妙

大ヒットしている『愛の不時着』(Netflix公式HPより)

 Netflixで2月から配信され大ヒットしている韓国ドラマ『愛の不時着』。今、ハマる人が続出中だ。コラムニストのペリー荻野さんが、そのタイトルについて考察してみた。

 * * *
 朝日新聞の天声人語でも取り上げられるなど、話題沸騰中の韓国ドラマ『愛の不時着』。遅ればせながら、私も「なるほど」「うーん、そこまで」とうなりながら視聴中だ。

 物語は、韓国の財閥令嬢が、パラグライダーの事故で北朝鮮に不時着。そこで二枚目の将校に出会い、さまざまな困難に遭遇しつつも、二人は激しく惹かれあう…というもの。まさに二人は北と南のロミオとジュリエット。回を重ねるごとに盛り上がるのは、さすが韓国ドラマという気がするが、ここでつくづく考えたのは、タイトルの妙である。

 まず、「不時着」と聞いただけで気持ちをざわつかせるものがある。そこに「愛の」とついたら大変だ。もともと「愛の」は、すべてをドラマチックにする魔法の言葉。「愛のたわし」でも「愛のつま先」でも、「愛の」があるだけで、めまいを巻き起こしそうである。

 この言葉にいち早く目を付けたのが、60年代から続いた昼ドラの世界で、TBS系のシリーズ枠タイトルはズバリ『愛の劇場』。また、『タモリ倶楽部』では80年代にタモリと女優によるエッチ妄想ミニドラマ『愛のさざなみ』『愛のさすらい』が放送されていた。

 もちろん、日本のドラマにも「愛の」がついた名作ドラマはある。たとえば、1986年にヒットした昼ドラの『愛の嵐』。孤児として育った青年猛(渡辺裕之)が、奉公先のお嬢様ひかる(田中美佐子)と恋に落ちるが、結局、彼女は金持ちと結婚。戦争の激動後、死んだと思われていた猛は、成り上がり男となって現れる。おお、ドラマチック。原作はエミリー・ブロンテの『嵐が丘』。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン