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「一生懸命生きない」韓国本、なぜ日本で共感を呼んだのか?

著者のハ・ワンさんのイラスト。ハ・ワンさんは作家のほか、イラストレーターとしても活動している(『あやうく一生懸命生きるところだった』より)

 新型コロナウイルスの影響による失業や収入減で、生計維持のために奔走している人も多いだろう。しかし今、世間の流れとは対照的な韓国のエッセイ本が売れている。

 韓国で25万部のベストセラーとなった『あやうく一生懸命生きるところだった』(ハ・ワン著、ダイヤモンド社)は、1月15日に日本で発売されるとすぐに話題になり、発売から約5か月で累計9万部を突破。韓国では、人気グループ・東方神起のユンホが手にとったことでも話題を呼んだ。この本の翻訳者である岡崎暢子さんが話す。

「コロナ騒動で、発売後すぐに書店が閉鎖されてしまったのですが、巣ごもり需要もあったのかSNSや口コミなどで話題になり、オンラインでの売れ行きが好調でした。自粛明けの6月に書店が再開されて、さらに反響を頂いているようです」(岡崎さん)

 この本は、「良い大学を出なければならない」「大企業に就職しなければならない」「結婚して子供を産んで当たり前」といった、現代社会に蔓延する奇妙な“正解社会”に、著者のハ・ワンさん自身が40才を目前にして突如会社を辞め、「一生懸命をやめる」生き方を選択し、独自の視点で疑問を投げかけている。

 著書の中でハ・ワンさんは、「なぜ僕らはいつも、正解がただ一つしかないかのように、そこに群がるのか」、「お金をたくさん稼がなくても幸せに暮らせて、無視されることもなく、惨めでもない世の中、そんな社会を夢見ている」と、誰もが一度は感じる社会への違和感や閉塞感を率直に綴った。

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