【Q4】次亜塩素酸水を噴霧して、それを吸い込んでも安全か
【A】△(濃度による)
“空間除菌”ができるとする次亜塩素酸水を噴霧する機器がさまざまな業者から販売されているが、次亜塩素酸水を吸い込んで大丈夫なのか。
厚労省が発表した「社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について」(2020年3月6日付)では、福祉施設で新型コロナ感染者が出た場合に、ドアノブやテーブル、まな板、ふきんなどの消毒に次亜塩素酸を用いることは推奨しているが、「次亜塩素酸を含む消毒薬の噴霧については、吸引すると有害であり、効果が不確実であることから行わないこと」としている。
また、経産省の外郭団体である製品評価技術基盤機構(NITE)が発表した『新型コロナウイルス対策における「次亜塩素酸水」の空間噴霧について(ファクトシート)』(6月9日付)では、世界保健機関(WHO)が公表している「屋内空間では、噴霧や霧化(燻蒸、ミスト散布とも)による環境表面への消毒剤の日常的な適用は、COVID-19 については推奨されない」「さらに、消毒剤の噴霧は、目、呼吸器または皮膚への刺激、及びそれに伴う健康への影響を引き起こすリスクをもたらす可能性がある」という見解を紹介している。
皮膚の角質層という“防護壁”に付着するのと違い、人が吸い込んでしまうような使い方は、さまざまな公的機関が害になる可能性を指摘し、推奨しないとしている。
「もちろん、これも次亜塩素酸の濃度次第で、薄ければ安全で、濃ければ危険ということは言えます。吸い込んでも安全と言えるほど濃度が薄ければ、当然、消毒効果も薄い。人体に無害で、かつ消毒効果が高いという都合の良い物質は、世の中にはなかなか存在しません」(左巻氏)
よく効く薬は副作用が強いのと同じだ。