だが、こうした利益共同体としてのサイクルが“逆回転”を始めた。図の通り、2019年10月の消費増税、そして2020年に入っての新型コロナで、2020年3月期は16社が減益。さらに2021年3月期の業績見通しは、ほとんどの企業が新型コロナの影響があまりに大きいことなどで「未定」としている。大幅減益は必至だろう。
「新型コロナによる移動制限でインバウンド需要が回復する見込みがないのは明らか。安倍政権の政策的な追い風のもとで利益をあげてきた企業であっても、脱アベノミクスのほうが儲かるのであれば、そちらに全速力で走り出していくことになる」(前出・福田氏)
カネの切れ目が縁の切れ目、沈みかけの船からは逃げ出す──実に“ビジネスライク”な結末が待ち受けている。
※週刊ポスト2020年7月3日号