親子三代、笑顔で襲名会見に臨む香川、息子の團子、祖父の猿翁(共同通信社)

「猿翁さん名義の豪邸ですが、ご本人はだいぶ離れた地域のマンションに住んでいます。健康状態は良好ですが、足が弱っているので車椅子で移動されることが多い。3階建ての一戸建てにいまさら引っ越すなんてあり得ませんよ。しかし、中車さんがそこに住むなんて不思議な話です。あそこの親子の確執は燃えさかっては消え、消えてはまた燃える、因縁の強い2人ですからね」(別の梨園関係者)

恩讐の彼方にありがとう

 猿翁と女優の浜木綿子(84才)が結婚したのは1965年。その年の12月に香川が生まれた。しかし、香川が1才のときに猿翁は舞踊家・藤間紫と駆け落ち同然の暮らしを始め、しばらくして離婚。香川は、女手一つで育てられた。

「香川さんは物心がついてから、『自分は父に捨てられた』という思いを強く持った。しかし、歌舞伎への道を望み始め、25才のときに猿翁さんに会いに行くのですが、『あなたは息子ではありません。今後あなたとは二度と会わない』と、拒絶されている。その後、長い時間を経て、紫さんの仲介や、團子くんの誕生などもあり、親子関係に雪解けの兆しが見え始めたのです」(舞台関係者)

 團子くんの本名は政明。「政」は代々、澤瀉屋の長男に受け継がれてきた文字だ。

「自分の名に“政”の字を付けなかった猿翁さんのことをいまだに香川さんは根に持っています。それを息子に付けたのは、團子くんには生まれながらに歌舞伎の道に進ませたいという決意の表れでしょう。猿翁さんにとっても、約150年続く偉大な名跡である猿之助を絶やすわけにはいかないという思いもあり、利害が一致したのでしょう」(前出・舞台関係者)

 2011年9月、45年間親子関係を築けなかった2人が歴史的雪解けを発表。猿翁は、前妻の浜に「恩讐の彼方にありがとう」とスピーチした。親子が共同代表を務める事務所を設立し、親子三世代で同居を始めたことも明らかにした。

「しかし、同居していた期間はほんのわずかでしたよ」と美談で終わらせないのは、前出の梨園関係者。

「猿翁さんが香川さんとの生活に煩わしさを感じて飛び出したんです。その後、しばらくはホテル住まいをして香川さんから距離を取っていましたが、いまも住んでいるマンションに落ち着いたんです。香川さんとこの年になって一緒に住むということはあり得ないですよ。猿翁さんは一時期より肉付きもよくなって、元気なのに一緒に暮らしたりなんかしたら卒倒しちゃうでしょう」

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