では、豪邸はなんのため? つらく当たってもなお、歌舞伎の道にしがみつき続けてくれた長男への贖罪の思いか。それとも、もっと現実的な話、相続税対策なのだろうか。税理士の西津陵史さんは、こんな見立てをする。
「相続税対策の可能性は考えられます。猿翁さんがこの土地を購入したのと同じ日に、この土地を担保にして、猿翁さんと香川さんの事務所が2億円の根抵当権を設定しています。これは会社の価値を下げる行為ですが、そうすることで相続税の圧縮を試みた可能性があります。また、土地の広さが今回のような場合、諸条件が満たされれば、相続の際に家の評価額を最大で8割引き下げることができます。これはかなりの節税効果になります」
一昨年にはアパレル会社を起業し、起業家としての一面も見せる香川にとって、財テクはお手の物ということか。ただ、その家の魅力は資産価値だけではなさそうだ。
「新築の豪邸には、お稽古場も作っていて、稽古はもちろん、歌舞伎の映像資料を見ながらの勉強もできます。團子くんもA子さんの家から足繁く通っているそうですよ」(前出・別の梨園関係者)
しかし、團子くんが通う祖父の新邸には、香川とともに引っ越しの挨拶をした女性が同居している。稽古場は父と女性の新居でもあるのだ。
「團子も、もう16才ですからね。父親とは、仕事でつきあうときとプライベートで向き合うときとで距離感を変える努力はしています。豪邸ゆえ稽古場は、生活スペースと離れた場所にあり、女性とは顔を合わせずに済むような配慮もされていると聞いています」(前出・別の梨園関係者)
6月下旬、霧雨吹き付ける梅雨寒のなか、團子くんを乗せた香川の車が自宅に戻ってきたところで、同居する女性について話を聞いた。
「新しいパートナーなんていませんから! 最初の記事が出された時点で終わった関係です。もう何も関係なくなってます。引っ越しの挨拶のときにはいた? それはいろいろありますから」
猿翁名義の家に香川が住む理由を聞いても、「ここは父の家ですが、それはいろいろと体調もありますし」と、歯切れが悪い答えを残し、日本舞踊の先生が待つ稽古場へと入っていった。恩讐の彼方には何が遺るのだろうか。
※女性セブン2020年7月9日号