国際情報

北朝鮮の女帝・金与正氏 夫は? 学歴は? 後継者なのか?

端正な顔立ちと言葉の苛烈さのギャップがスゴい(時事通信フォト)

 端正な顔立ちに似合わぬ言葉の激烈さで各国の度肝を抜く北朝鮮の女帝・金与正氏。いったい彼女は何者なのか。新著『金正恩の機密ファイル』(小学館新書)が話題を呼ぶ東京新聞編集委員の城内康伸氏がそのベールを暴く。(敬称略)

 * * *
 2年前の和解・交流ムードがウソだったかのように、北朝鮮が最近、韓国への敵対姿勢をエスカレートさせている。その急先鋒に立つのが、金正恩朝鮮労働党委員長を補佐する実妹の金与正党第1副部長だ。南北融和の象徴だった北朝鮮南西部・開城にある共同連絡事務所の爆破(6月16日)を予告し、文在寅政権を罵倒するなど、「強面の女」としてにわかに存在感を増している。

 与正は兄の正恩と同じく、金正日総書記と在日朝鮮人帰国者の高ヨンヒとの間に生まれた。米政府が2017年に人権侵害に関与したとして制裁対象に指定した際に作成したリストによれば、生年月日は1989年9月26日。ただ、韓国統一部は1988年生まれとしている。いずれにせよ、30歳を過ぎたばかりだ。

 北朝鮮事情に詳しい消息筋によると既婚のようだ。しかし、韓国メディアがかつて報じた、「夫は正恩の側近である崔竜海最高人民会議常任委員長の次男」という説は誤りらしい。「部隊長クラスの軍人」という未確認情報もある。

 与正は父親の寵愛を受けたという。脱北した元北朝鮮高官は「公主班というのがあり、与正の世話を焼いていた」と振り返る。金王朝のプリンセスとして、何不足なく育ったに違いない。1996年から2000年末ごろまでは、正恩と一緒にスイス・ベルンに留学した。

 北朝鮮メディアに最初に姿を現わしたのは金正日が2011年12月に死亡した直後のこと。葬儀で正恩の後ろに喪服を着て立っている写真が公開された。翌2012年11月には、正恩、叔母の金慶喜と白馬に乗った写真を朝鮮中央テレビが放映。王朝の一員であることを内外に印象づけたが、いずれも名前は明らかにされなかった。

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン