お笑い芸人の江頭2:50が、九州豪雨の被災地に100万円を寄付すると表明して注目を集めている。先日も女性誌『anan』(7月15日号)に12年ぶりにインタビューが掲載されるなど、かつて「嫌いな男ランキング」で3年連続1位を獲得した彼は、今や好感度の高い芸人として話題を呼んでいるのである。それはなぜなのか。
江頭といえば過激な芸風のイメージが強い。上半身裸の黒スパッツ姿で暴れまわり、腰に手を当てて「お前に一言物申ーす!」と人差し指を突きつけるポーズは有名だ。スパッツの中に手を入れて股間を突き出す持ちネタをはじめ、放送できるギリギリのアクションで視聴者の笑いを誘ってきた。
一方で破天荒なキャラクターは一部の視聴者から顰蹙を買うことにもなった。情報誌『日経エンタテインメント!』による「嫌いな芸人ランキング」で2002年から2010年まで9年連続1位、『anan』の「嫌いな男ランキング」では2006年から2008年まで3連覇を果たすなど、ネガティヴな地位を確保し続けていた。
だが潜在的なファンから支持されてきたことも事実である。今年2月1日、江頭は公式YouTubeチャンネル『エガちゃんねる』を開設。1年間でチャンネル登録者数100万人を達成することを目標として掲げたところ、なんと9日目にクリアしてしまう。人気アイドルグループ・嵐に次ぐ日本人歴代2位のスピードで100万人突破を果たすという偉業を成し遂げたのである。
7月現在ではすでに目標の2倍を超える200万人以上のチャンネル登録者数を獲得している。新型コロナウイルスの影響により、お笑いライヴやテレビ番組の収録が続々と休止するなか、自宅で視聴可能なインターネット上のコンテンツが注目を集めはじめたことも追い風になったのかもしれない。それにしてもなぜこのタイミングでYouTubeデビューを飾ったのだろうか。前述した『anan』のインタビューではこう語っている。
〈そもそも、俺はYouTubeなんて知らなかったんだよ。ただ、始める前にFischer’sのチャンネルに出たことあるんだよ。その時にそいつらがいい奴だったんだよな。だから悪いものじゃないとは思ったな。で、そのあとYouTubeは好きなことができる、世界中で見てもらえるって聞いたんだよ。それで面白そうだって思ってやることにした〉