現在、都内病院に入院中の30代女性Cさんはマスクや手洗いを徹底し、夜の街はもちろんのこと、外食や外での買い物もできる限り避けていたのに感染した。
「心当たりといえば、会社の打ち合わせ中に同僚と一緒に会議室でお菓子を食べたことや、近所にランチに出たこと。そのときだけは無防備におしゃべりをしながら食べていました。その同僚も検査で陽性となりました」(Cさん)
3人の感染者に共通するのは、「食べながらの会話」だ。新中野耳鼻咽喉科クリニック院長の陣内賢さんが語る。
「新型コロナは唾液中に多く存在し、食事中に唾液の分泌が増えると周囲の感染リスクが高まります。接待を伴う店はもちろんのこと、食べたり飲んだりしながら会話するレストランや喫茶店でも感染拡大の可能性があります」
実際、北海道では、昼間からカラオケを楽しむ「昼カラ」を行っていた喫茶店などで客と従業員90人以上が感染した。東京・秋葉原のメイド喫茶でも従業員12人の感染が確認された。
飲食店以外にもクラスターリスクの高い危険地帯がある。
「最近目立つのは、学校や保育園におけるクラスターの多発です。直近でも東京・文京区の認可保育園で保育士6人、園児25人が感染しました。子供の体内では一定以上はウイルスが増えないので、感染が確認しにくいし発症もしにくい。無症状の子供たちが大人にうつすというパターンが広がっているとみられています」(全国紙社会部記者)
家庭内感染のリスクも看過できない。6月下旬、都内病院を退院した40代主婦Dさんが語る。
「夫は仕事上、会食の機会が多いので家では特に注意して、たまに食事を一緒にする際も取り皿を別にするなど気をつけていました。夜の遅い夫とはすれ違いの生活のため、感染リスクは少ないと思っていたけれど、寝室は一緒でした。暑い夜が続き、窓を閉めてクーラーをつけたまま寝ることが多かったので、密閉された寝室で新型コロナがうつったのかもしれません…」
※女性セブン2020年7月30日・8月6日号