貧困に加えコロナ流行も噂される北朝鮮の現状は深刻だ(AFP=時事)
トランプ氏が歴代大統領の誰よりも北朝鮮と関係を築いたのは事実だが、これまでのところ、朝鮮戦争で死亡した米兵の遺骨が返還されたことを除けば、手ぶらで交渉の場から出てきたように見える。しかし、「ハリー・J・カツィアニス国立研究センター」の朝鮮問題上級部長の報告によれば、ホワイトハウスは、最低1か所の重要な核生産施設の解体と、正式な核・ミサイル実験停止の誓約などと引き換えに、「独自の制裁緩和策」を提供する予定だという。
中国共産党の支援を受ける金政権には、自ら人権侵害を改める意思は見えない。金氏の唯一の目的は、核を維持して経済的利益を得ることだ。非核化と米国の要求に「従う」 ことは、米朝会談で得た国際的な影響力を失うことにつながる。金氏は、11月の大統領選挙で誰が当選しても、今のところ有利な立場にあることを知っている。
現状では、北朝鮮をまっとうな交渉のテーブルに戻すために十分な準備はできていない。金正恩氏の妹であり北朝鮮の重要人物となった金与正氏は、年内の米朝首脳会談は期待していないと強調する一方で、「どうなるかは誰もわからない」とも述べている。
(この記事は「American Thinker」の許諾のもと同サイトの記事を翻訳・要約したものです)
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