新宿・歌舞伎町にある200軒以上のホストクラブのほとんどが窮地に陥っている(時事通信フォト)

新宿・歌舞伎町にある200軒以上のホストクラブのほとんどが窮地に陥っている(時事通信フォト)

 この人物は、名古屋の件を受けても「逮捕されても(分かってやっているから)仕方ない」と言い切る。それほど困窮しているのだと隠すそぶりも見せず、さらに、すでに仕事がなくなっているホストたちの行く末をも心配する。…が、実はコトはすでに起きている。

「歌舞伎町のホストが、店が潰れて仕事が無くなったことから、特殊詐欺の受け子をして逮捕されました。また、休業要請期間中に店にこっそり客を呼び、100万円以上をぼったくっていたとして、ホストがすでに逮捕されています。元ホストが犯罪で捕まっても、自身がホストであったことを打ち明ける例は当然少ない。直近で特殊詐欺で検挙された人間の中には、元ホストが少なくない数いるのではないかとも言われています」(大手紙警視庁担当記者)

 こうして書いてみてはいるが、責められるべきはホストだけ、と個人的には思っていない。筆者は以前、休業要請に応じないパチンコ店などを取材し、彼らが、50万円、100万円の休業協力金をもらうだけではどうしようもない、とういう実態をレポートしたが、ホストクラブに代表される「夜の街」の店々も同様だ。営業してナンボ、モノを売って100円1000円の利益を得るのではなく、数百万円を使って数千万円を得るというビジネスモデルである。

 もちろん、こうした仕組みを理解できない人たちにとっては、彼ら、彼女らの存在そのものまでを否定したくなるだろう。ただ、それを言っちゃ「おしまい」であるし、そうした金の回し方をする人たちが一定数いてこその、日本経済だったという側面も忘れてはいけない。結局その点への救済が不十分だからこそ、職にあぶれたホストが犯罪に走るなど負のスパイラルを呼び込んでいる、その災いが一般市民にも影響を与えている現実を、もっとよく理解しておいたほうがよいだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン