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壇蜜、明治の戦時光景を描いた洋画を見て「圧倒的な臨場感」

明治神宮外苑 聖徳記念絵画館

 美術史家で明治学院大学教授の山下裕二氏とタレントの壇蜜という、日本美術応援団の2人が、日本の美術館の常設展を巡るシリーズ。2人が訪れたのは、明治神宮外苑・聖徳記念絵画館だ。

山下:館内には明治天皇のご生誕から崩御までの歴史的光景が日本画と洋画で展示されています。美人画の名手・鏑木清方(かぶらききよたか)が描く皇后の散策風景など目で愉しむ優雅な日本画に対し、戦時の光景が多い洋画は激動の時代を肌で感じられます。

壇蜜:戦争が題材の絵の中でも白馬の王子が天を駆ける『振天府』は異色。まるで昨夜見た夢のようです。

山下:史実を忠実に描く他の壁画とは一線を画し、幻想的な場面が描かれているのが極めて特異ですね。

川村清雄『振天府』を眺める

 振天府とは日清戦争の戦利品を陳列した建物で、白馬に乗った明治天皇が戦争で命を落とした兵士を天へ連れて行くイメージなのでしょう。作者の川村清雄は秀でた画才を示していち早くヨーロッパへ留学した、日本の洋画黎明期の注目すべき画家。近年再評価され展覧会も度々開かれています。

壇蜜:幻想的な印象の『振天府』とは逆に『日露役奉天戦』は、さっきまでその場にいたかのような圧倒的な臨場感があります。

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