ダイハツ・ミラトコット

 日本で維持費が安くてすむクルマと言えば何といっても軽自動車。だが、クルマとしての寸法は極小で、技術的、コスト的制約が多く、元来は長距離にはあまり向かないはずのクラスだ。

 しかし、最近の自動車工学の進歩とは恐ろしいもので、軽自動車クラスでもサイズや見た目を裏切るロングランナーがいくつか登場している。その軽モデルでもとりわけ印象的だったのは、ダイハツ「ミラトコット」だ。

外観の飾りは少なくシンプル。「500㎞乗っても1000㎞乗っても平気でドライブできる素晴らしい軽自動車だった」(井元氏)

外観の飾りは少なくシンプル。「500㎞乗っても1000㎞乗っても平気でドライブできる素晴らしい軽自動車だった」(井元氏)

 ベースモデルの低価格軽「ミライース」に毛が生えた程度の機能、性能しか持たないはずなのだが、実際に乗ってみると軽、普通車の枠を越えて素晴らしいフラット感を持っており、上下の揺すられは小さく、ハンドリングも低性能なりに秀逸な出来。4000kmをドライブしてみたが、どこまでもサンダル感覚で疲れず走れるという印象だった。

 軽は高速料金が安く、休日割引と組み合わさればフランスの高速道路で1kmあたりの通行料金が最も高い区間を走るくらいの出費で済むのも嬉しい。クルマに支払うお金はできるだけ安く、しかし遠くを旅したいというカスタマーには、筆者個人として最大級におススメできる1台である。

豪華な装備は何もないが、シートは長時間走行でも快適。車体が上下に揺すられにくいのもロングドライブ向き

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