芸能

なぜ韓国のエンタメはあそこまでレベルが高いのか

ドラマ『冬のソナタ』で社会現象を巻き起こした俳優のペ・ヨンジュン(47才)

 日本国内は「第4次韓流ブーム」に沸いている。火付け役となったのはNetflixで配信中の『愛の不時着』や『梨泰院(イテウォン)クラス』。そして、K-POPアイドルのオーディションに密着した『Nizi Project』が決定打になったといわれている。韓国文化に詳しい専門家たちは、「第4次ブームはいままでと違う」と口をそろえる。

けた違いの労力をかけて書かれた「脚本」が韓国ドラマの強み

 韓流ドラマの「お決まり」を崩したのが、2016年にヒットしたコン・ユ(41才)主演の『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』だ。韓国ドラマに詳しい作家の康熙奉(カンヒボン)さんが言う。

「韓国は何をやっても恋愛ドラマになるといわれてきました。医者のドラマなら医者同士が恋愛し、刑事ドラマなら結局、刑事の男女が恋愛する。しかし『トッケビ』は、ファンタジーでありながら人間の生と死を根源的に見つめた作品で、この頃から韓国ドラマは新境地を模索していたように思います」

 そして、映画『私の頭の中の消しゴム』『四月の雪』でもヒロインを務めたソン・イェジン(38才)と、ヒョンビン(37才)という人気俳優たちが主役のラブストーリーでありながら、奇想天外な設定で「政治的なタブー」に足を踏み込んだのが『愛の不時着』だ。韓国・ソウルの財閥令嬢がパラグライダーで北朝鮮に不時着。現地の将校と恋に落ちる切ない物語に嗚咽する人が続出した。康さんが続ける。

「誰にとっても不透明で気になる存在である北朝鮮をネガティブに登場させるのではなく、庶民の生活をリアルに描き、身近で人間味あふれる存在として展開したことが斬新でした。韓国ならではのテーマと主役2人の魅力に、偶然にもコロナ禍が重なったことがヒットの要因でしょう」

 ヨン様ブームの時代から韓流を追いかけ続ける「韓国ウオッチャー」の児玉愛子さんは、韓国エンタメが持つ「コンテンツの強さ」を『愛の不時着』が証明したと語る。

「いくら家でドラマを見る機会が増えても、作品がつまらなければバカにされて終わります。『愛の不時着』はハイレベルなアクションシーンも多く、時間もお金もかけて作られている。国家レベルの“現代版ロミジュリ”は韓国人にも新鮮でしたが、日本人にとっても魅力的でした」

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン