――国の中央防災会議は首都直下地震の発生確率を「30年以内に70%」としている。都心南部でマグニチュード7.3の地震が発生するケースでは、犠牲者2万3000人、全壊または焼失する建物は61万棟、経済的喪失は95兆円にのぼると想定している。
鎌田:1000年に一度の東日本大震災が起きて、プレートのあちこちに歪みが生じ、それを解消しようとする地震が頻発しています。震災前に比べて内陸地震は約3倍に増えている。
室井:日本は大地変動の時代に突入したという話ですね。
鎌田:そう。同じような地殻変動は1100年前の平安時代にも訪れていて、869年に東日本大震災と同じ三陸沖を震源域とする巨大地震(貞観地震)が発生し、その9年後の878年にマグニチュード7.4の相模・武蔵地震という首都直下地震が起きました。さらに9年後には南海トラフを震源とする巨大地震(仁和地震)が発生しています。
室井:もし同じパターンが繰り返されるとすると、東日本大震災の9年後に首都直下地震が起こったら…2020年、今年なんですね!
鎌田…それに9を足すと2029年。ぼくが言った「2035年±5年」ともだいたい合うでしょ。1000年単位で起こる巨大地震と100年単位で起こる大地震。2つの時間軸がオーバーラップしているのが、今なんです。東日本大震災による歪みが東京周辺に集中して首都直下地震を起こし、南海トラフ巨大地震で打ち止めということになるかもしれない。
室井:首都圏に住む人はよっぽど注意しておかないといけないですね。私は飲料水を買って備蓄しておくんじゃなくて、水道水を2リットルのペットボトルに入れて、ローテーションで古いものから手洗いやお皿を洗ったり草花にあげるのに使って、新しく水を入れ替えて、ということをやっているんです。普段から普通に水道水を飲んでいるので。そういう話をすると、周囲でも真似して始める人が多いんですよ。