室井:桜島の近くに住んでいる人たちは日常的にそうしてるんですか?
鎌田:いや、火山灰の量と質が違います。桜島の火山灰はザラザラしていますが、富士山から飛んでくるのは非常に細かい、小麦粉みたいな灰。それが桜島の噴火で降る火山灰の200年分が、たった2週間で5cmも積もる。しかもいったん積もると水では流れないから、スコップで掘ってゴミ袋に入れて処理するしかない。
室井:厄介だな~。1か月の猶予があるとはいえ、昨今のコロナ禍を見ていると、パニックになって買い占めとかも起きるだろうから、今のうちから本当に少しずつ、いざという時に何が必要か、考えておかなきゃいけないですね。
鎌田:パニックを起こさないよう、どう広報するか、ですが、室井さんは結構、心配ですか?
室井:それはもう、いろんなものがなくなりましたから…。だけど、南海トラフ巨大地震と富士山噴火まで「あと10年ほど」とわかったら、そこに向かって逆算することができると思うんですよ。特に私なんかオバサンだから、コロナの自粛の時もある種の“逆算”に入ったんですね。DVDをいっぱい買ってきたり、読みたかった本を読んだり。家もずいぶんと片づけましたし。振り返ると、自粛期間はすごく充実してた。
それが一回解除になって、元の生活に戻りかけると、嬉しいはずなのになんか中途半端で。出かけていいのかいけないのか、仕事していいのかいけないのかわからない。一体いつまでなのかもわからない。だから今、初めて不安を感じてるんです。専門家の人が「納期」みたいにある程度期限を区切ってくれたら、逆算して生活を充実させられるし、備えもしっかりできるんじゃないかな。
ところで、首都直下地震はいかがですか?
鎌田:直下型は別で、それはもういつ来てもおかしくないです。
室井:そうなんですか…。でも、考えてみたら関東大震災から今年で97年。たしかにいつ起きても不思議はないんですよね。