また、もう一つの重要な共通点が、この3つのガールズグループには日本人メンバーがいるという点。NiziUに至っては、日本人メンバーが中心だ。語学のハンデを超えて韓国ファンとのコミュニケーションを積極的に行う姿勢や、特に厳しい韓国のK-POP式養成システムを経験していることもあって、歌もダンスもずば抜けて上手いメンバーが揃っており、韓国人メンバーと変わらず愛されている。
韓国の芸能事務所はIZ*ONE、TWICE、NiziUに続けと、積極的に日本人メンバーを起用しようとしている。今や世界的人気となったアイドルグループのBTS(防弾少年団)を育てた韓国の大手芸能事務所ビッグヒットエンターテインメントの日本法人は6月、日本に住む2001年以降に生まれた10代女性を対象にオーディションを実施すると発表した。歌やダンスが未経験でもオーディションに応募できることから、可能性を秘めた人材を一からアイドルとして育てたい意向があるようだ。
これまで、ボーイズグループを中心に力を入れてきたビッグヒットエンターテインメントがガールズグループを育成するということで、韓国メディアは「ついにビッグヒットエンターテインメントが次世代のガールズグループを企画」「日本で日本人メンバーを発掘する」と大々的に報道し話題になった。
ボーイズグループでも日本人メンバーが起用され始めている。現在放送中の、ビッグヒットエンターテインメントからデビューする「第2のBTS」を選ぶオーディション番組『I-LAND』でも日本人練習生が活躍しており、韓国大手芸能事務所YGエンターテインメントから8月7日にデビューしたばかりの12人組ボーイズグループTREASUREにも、日本人メンバーが4人含まれている。「I-LAND」は回を重ねるごとに反響が増しており、今後日本人練習生がデビュー組に入れるか、韓国ファンも大いに注目している。
【趙章恩】
ジャーナリスト。KDDI総合研究所特別研究員。東京大学大学院学際情報学修士(社会情報学)、東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。韓国・アジアのIT・メディア事情を日本と比較しながら分かりやすく解説している。趣味はドラマ視聴とロケ地めぐり。