習氏が2013年1月に出した贅沢禁止の重要指示は今回と似たようなものであり、当時の反腐敗闘争とあいまって、当時の1年間で2万人の党政府幹部が摘発され、処分を受けている。その大部分の幹部は業者から高級レストランで接待を受け、金銭や高級品などの賄賂を受け取るなどしていたという。
当時は習氏が中国共産党のトップについたばかりで、まだ権力基盤が固まっていない時期だった。だからこそ習氏が自身の政敵である幹部を陥れて、自身の権力基盤を固まるために、反腐敗闘争と贅沢禁止令を打ち出したとの見方が一般的だ。
このため、習氏が今回も突然、贅沢禁止の重要指示を打ち出したことで、再び大きな政治運動が始まるのではないかとの見方が出ても不思議ではない。
米政府系メディア「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」は今回の贅沢禁止令について、専門家の話として、「米中対立の影響で、これまで輸入していた米国産小麦などの穀物が滞って、中国内の食糧不足が深刻化するための対策」との見方を示した。その一方で、「米中対立で、習主席を中心とする嫌米派と、李克強首相ら親米派が外交政策などをめぐって激しく対立しているとの情報もあり、今回の贅沢禁止令が権力闘争に発展する可能性も否定できない」とのコメントを紹介している。