今年に入って、裕次郎さんの遺品管理を行う団体を設立し、関連会社の清算も同時に進めた。そして、来年1月16日に石原プロの解散をすると発表する段階にまで漕ぎつけたのが、渡さんの亡くなる1か月前、裕次郎さんの命日である7月17日のことだった。かつて石原プロで常務取締役を務めた仲川幸夫さん(80才)はこう話す。
「石原プロの看板を、裕次郎さんにお返しする来年1月まで生きられなかったことがご本人も無念だったと思います。生前、渡さんは『石原さんの自宅にある仏壇に手を合わせられない体になっちゃって、ほんとう不義理だよ』と、悔しい思いを口にしていました。どんな状況でも、裕次郎さんへの情熱は消えないかたでした」
解散より一足先に会いに来た渡さんを、裕次郎さんは優しく叱るだろう。その後、「哲、ようやく一緒に酒が飲めるな」なんて豪快に笑いながら喜んでいるのかもしれない。
※女性セブン2020年9月3日号