芸能

三浦春馬さん 自死の前に心揺れた「樹木希林さんの言葉」

思いが綴られたノートが部屋から見つかったという

 9月4日、三浦春馬さん(享年30)の四十九日にあたるこの日、亡くなるまでの経緯の詳細を所属事務所が公にした。そこには、三浦さんの死が“自死”であったこと、遺書はなく、思いが綴られたノートが部屋から見つかったこと、未公開作品の公開へ向けて調整が行われていることなどが明らかにされた。

「来年、HuLuで配信される予定だったドラマ『ボーカリスト』では、歌手の夢を追う会社員として主演が決まっていましたが、撮影前だったため、“幻の主演作”となりました。公開が遅れている主演映画『天外者』、来年公開予定の映画『ブレイブ-群青戦記-』は公開の方向で調整されているようです。ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)も、撮影が済んでいる分はすべて、放送すると決まっています」(テレビ局関係者)

 こうして未公開の遺作を眺めるだけでも、三浦さんがさまざまな役を生きようとしていたことがよくわかる。それが、子供の頃から芸能活動をしてきた三浦さんの生きがいでもあった。高校生の頃に、親しい親族に仕事は楽しいのかと聞かれた際には、ぽつんと一言、「いろんな人格になれるのが楽しいんだ」と答えている。

 三浦さんはその言葉の通り、常に、演じること、役を生きることに正面から向き合ってきた。殺人を犯し、その罪に苦しむ役を演じるときは教会に通い詰めて牧師を質問攻めにし、ドラァグクイーンを演じる際には肉体改造を自ら進んで行うほどの熱の入れようだったのだ。

 亡くなって間もなく放送されたNHKドラマ『太陽の子』でも、その姿勢を貫いた。原爆の開発をテーマにしたこの作品で三浦さんが演じた青年は、一時帰宅中に入水自殺を図り、最終的には戦場で帰らぬ人となる。

「この撮影をしていた昨年秋、三浦さんは日記帳に、“散ることを見据えてどう過ごすべきか”という言葉の後に、“壮絶な体験を顔に出すこと無く、作った笑顔で日々を過ごすべきか。苦悩する姿に自分を重ねている”と記していました」(捜査関係者)

 自死を選んだ三浦さんと、死に場所を探すように戦地へ赴き、戦死した青年の姿を重ねると、この言葉はいっそう重みを増す。

 さまざまな役になりきっている間、三浦さんは自分が三浦春馬であることを忘れることができた。役者仕事は三浦さんにとって自らの人生からの逃避の場でもあったのだ。

「とにかく仕事が好きな男という印象でした。ただ、三浦さんが引き寄せていった役柄は、人生や命と向き合う青年の役が多かった。時には、難病を患った役に自ら名乗りを上げたこともありました。いろんな人生を演じていくうちに、彼自身の死生観と俳優業が切り離せないものになっているように見えた。役柄の悩みなのか自分自身が抱えている悩みなのか、境界線が曖昧になっている雰囲気もありましたね」(三浦さんの知人)

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン