芸能

コロナで窮した地下アイドル「接触仕事に舞い戻り」と嘆息

アイドルになったから「接触」仕事はしなくてよくなったのに

アイドル活動に活路を見出していた

 新型コロナウイルスの濃厚接触者とは、発病した日以降に感染確定患者と同居していたり、長時間を同じ密閉空間(たとえば飛行機など)で過ごす、およそ2メートル以内で予防策なしに接触した人などのことを言う。避けられる行為を避けようという機運が高まると友に、心配されたのが地下アイドルたちの活動だ。ライブやイベントを中心に活躍することからライブアイドルとも呼ばれるアイドルたちは、その収入源の多くが、ファント実際に会ったときのグッズ販売やチェキなどに頼っている。芸能プロ所属であっても、ほとんどが歩合制で契約しているアイドルたちは、いま何をしているのか。ライターの宮添優氏が、現役地下アイドルの一人の今をリポートする。

 * * *
「接触が嫌だからこの仕事についたのに、また舞い戻っちゃった感じだよね」

 電子タバコの煙をすぼめた口から細く吐き出し、諦めたような表情で思いを吐露するのは、東京・秋葉原の現役リフレ嬢・丸山たまきさん(仮名・20代)。リフレとは、足つぼマッサージの一種であるリフレクソロジーの略で、その施術をする女性をリフレ嬢と呼んでいる。だが、丸山さんはライブハウスで歌って踊る「地下アイドル」だったはずだ。

「一応、首都圏のライブハウスとかカフェでライブやって握手会して……絶対に来てくれるお客さんは5人くらい。毎回物販で数万円使ってくれるし、その5分の1が私の取り分。固定給はないから出た分だけ。推して(応援して)くれる人たくさん欲しいから、握手とハグはかなり頑張ったね(笑)。でもそれ以上は絶対しない、そこはプライドがあった」(丸山さん)

 月の収入は、アイドル活動で月に15万円ほど。有料チャットサイト出演による収益化の目処も立ち、ファミレスのアルバイトをやめても生計が成り立ちそうだと考えていたのは今年2月。だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全てが白紙になった。

「感染しないように接触を避ける、って日常になったでしょ? でもうちらの場合は、接触でお金を稼ぐしかないよね。貧乏だったらその分多く接触しなきゃ。アイドルになるまでは、そうやって稼いでいた。でも、『地下』がつくけど、一応アイドルになって、これで接触しなくていんだって思った。本音では嫌だったから。でも、アイドルの仕事がなくなって、また接触しなきゃって」(丸山さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト