ビジネス

テスラ3の実力は本物か 東京─長崎往復で分かったメリデメ

テスラ「モデル3」ロングレンジAWD

テスラ「モデル3」ロングレンジAWD

 7月1日、株の時価総額が2105億ドル(22兆1000億円/1ドル=105円換算)となり、トヨタ自動車を超えて自動車業界世界首位に躍り出たアメリカのEV(電気自動車)ベンチャー、テスラモーターズ。日本市場ではまだマイナーな存在だが、果たしてその実力は本物なのか──。それを確かめるべく自動車ジャーナリストの井元康一郎氏が、「テスラ3」に試乗して“東京─長崎間、総走行距離2876km”の超ロングドライブを敢行した。

 * * *
 テスラフィーバーは9月になっても止まらず、株価は7月の2倍以上に跳ね上がった。期待されていたアメリカの株価指数S&P500の構成銘柄入りに漏れたことで一時、機関投資家の投げ売りに起因するものとみられる暴落があったものの、その後再び株価は上昇に転じ、現在では時価総額30兆円台後半を推移している。1株当たりの株価は前年に比べ軽く10倍以上だ。

 何がそんなにテスラ株を持ち上げているのか、真相は不明だ。テスラの2019年の年間生産台数は36万台。これはトヨタの20分の1以下、ホンダや日産10分の1以下という水準だ。収益性はようやく4四半期(12か月)連続で黒字を計上することができたばかりで、いわばよちよち歩きの状態である。売り上げも利益率もモンスター級の巨大企業群、GAFAMとはまるで状況が異なる。

 だが、株価は高い。もっぱらS&P500入りでの一段高を当て込んだ機関投資家の買い集めという説は株価の再反転で違うことが証明された。といって、熱狂的なイーロン・マスク(テスラCEO)支持者たちによる買いだけでこんなに株価が上がるものではない。

 株価は将来指標とも人気投票とも言われるが、果たしてテスラにそんな成長の見込みがあるのか。とりあえず商品を使ってみなければ話が始まらない。ということで、同社の主力EV「モデル3」で遠乗りをしてみることにした。

「テスラ3」のフロントエンドの低さはコンパクトな電気モーターを動力源とするEVならではのもの

「テスラ3」のフロントエンドの低さはコンパクトな電気モーターを動力源とするEVならではのもの

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン